軍艦島 がれきをネットで固定へ 長崎市 台風被害を軽減

柵が折れ曲がり、がれきが流入した歩行通路=2018年、長崎市の端島(市提供)

 昨年9月以降、台風による被害で観光客の上陸が禁止されている長崎市の端島(軍艦島)について、市が台風被害を軽減するため、プラスチック製ネットで島内のがれきを固定する対策を検討していることが3日、市への取材で分かった。
 市は、ネット設置費用など関連予算を新年度当初予算案に計上する方針。
 軍艦島内には、老朽化したコンクリート製建造物や護岸の破片などのがれきが散乱している。台風の通過や接近による高波で、流されたがれきが見学広場や通路に流れ込み、柵が破損したり通路が通れなくなったりして、復旧に時間がかかる一因となっていた。
 市は、風雨に強く耐久性があるプラスチック製ネットでがれきを覆い固定する対策を検討中。ネット設置以外にも、重機を用いて高波の影響が少ない場所にがれきを移動させることや、柵や手すりを取り外せる形式にして台風接近時に外し、通過後に再び設置することも検討している。
 市世界遺産室は「台風の被害を軽減するため、できる限りのことはしたい」としている。
 軍艦島は世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産。市は2009年に上陸を解禁し、これまでに計約183万4千人が上陸。市観光政策課によると、遅くとも3月19日までには観光客の上陸を再開する見込みという。

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