クリックがアストロズの新GMに就任 名門・エール大学出身

サイン盗み問題に関連してメジャーリーグ機構から1年間の職務停止処分を受けたジェフ・ルーノウを解任し、新たなゼネラルマネージャー(GM)を探していたアストロズは、日本時間2月4日、レイズで野球部門副社長を務めていた42歳のジェームス・クリックがGMに就任することを発表した。ジム・クレイン・オーナーは、レイズのフロントで14年間働いた実績を持つ名門・エール大学出身の秀才に、サイン盗み問題に揺れるチームの立て直しを託すことを決めた。

クリックは直近3年間、レイズの野球部門副社長を務めており、選手の調査や育成を含め、レイズの球団組織のあらゆる部門に関わってきた。選手の評価・査定やロースター編成、契約交渉やスタッフのマネジメントなどにも携わった経験があり、GMを務めるのは初めてではあるものの、GM就任に支障はないと見られる。レイズのフロントには2006年に加入し、野球部門副社長に昇進する前は、野球部門のコーディネーターや選手の調査・育成部門のディレクターなどを務めてきた。

クレインは声明文のなかで「ジェームスは素晴らしいキャリアの持ち主だ。野球に関する様々な部門に携わった経験があり、周囲からリスペクトされるリーダーでもある。周囲の人間とも良好な関係を築いているし、アストロズにとって非常に大きな補強だ。彼を我々の新しいGMとして紹介できることを本当に嬉しく思う」とクリックを絶賛。球界有数との評価を得ているレイズのフロントで活躍してきたクリックの手腕に期待を寄せた。

球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げた2017年から3年連続でア・リーグ西部地区を制し、黄金期を迎えているアストロズだが、年俸総額はぜいたく税の対象ラインを上回って2億1000万ドルに達しており、「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキング全体トップ100には1人(フォレスト・ウィットリー)しか送り込むことができていない。年俸総額を削減しつつチームの競争力を維持し、なおかつ若手有望株を育成するという困難なタスクに、新GMのクリックがどのように立ち向かっていくか注目だ。

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