ベッツは悲願のWS制覇目指すドジャースの「ラストピース」

ムーキー・ベッツ(レッドソックス)のトレードに関する報道は日を追うごとに熱を帯びており、西海岸(ドジャースまたはパドレス)への移籍はほぼ確実な情勢となりつつある。MLB公式サイトの名物コラムニスト、マイク・ルピカは「ベッツがトレードされるのであれば、行くべき場所はドジャースである」として、ドジャースが悲願のワールドシリーズ制覇に向けての「ラストピース」としてベッツを獲得すべきであると主張している。

ドジャースは直近4シーズンで平均98勝を記録し、すべてのシーズンでナショナル・リーグ西部地区の王者となっている(地区7連覇中)。しかし、直近4シーズンでワールドシリーズに2度進出しているものの、1988年以来となるワールドシリーズ制覇はいまだに達成されていない。昨季はナショナルズとの地区シリーズで2勝1敗とリードしながらも2勝2敗のタイに持ち込まれ、第5戦では終盤まで3対1でリードしながらも逆転負けを喫した。

そうした状況を受けて、ルピカは昨季終了後から「ドジャースには大型補強が必要だ」と考えていたという。10月の戦いに向けて、「今年は何かが違う」とファンに信じさせなければならない。そして、ベッツを獲得する以上にインパクトのある補強はない、とルピカは主張する。要するに、ベッツはドジャースが悲願のワールドシリーズ制覇を成し遂げるための「ラストピース」というわけだ。

2018年に打率.346、32本塁打、30盗塁、OPS1.078の好成績をマークし、マイク・トラウト(エンゼルス)を抑えてアメリカン・リーグのMVPに選出されたベッツ。首位打者と「30-30」の同時達成は史上初の快挙だった。昨季はやや数字を落としたとはいえ、打率.295、29本塁打、16盗塁、OPS.915を記録。97四球は前年を上回る自己最多で、その結果、出塁率.391とOPS.915は前年に次ぐ自己2番目の数字となった。好選手が揃うドジャースとはいえ、ベッツを上回る成績を残しているのは昨季ナショナル・リーグMVPに輝いたコディ・ベリンジャーくらいであり、ルピカが主張するように、ベッツの加入はドジャース打線に「違い」をもたらすだろう。

昨季103勝をマークしたヤンキースは今オフ、9年3億2400万ドルという巨額の投資をしてゲリット・コールを獲得した。これはもちろん、地区優勝するための補強ではなく、2009年以来のワールドシリーズ進出&制覇を目的とした補強である。昨季球団史上最多の106勝をマークしたドジャースにも同様の補強が必要であり、それに相応しいのはベッツである、とルピカは主張する。

ルピカが望むとおりに、ドジャースのベッツ獲得は実現するのか。最新の報道を見る限りでは、早ければ数日以内にもベッツのトレードに決着がつく可能性があり、「ドジャース・ベッツ」が誕生するかもしれない。

© MLB Advanced Media, LP.