公立の通信制高校の特徴やメリットは?学校選びのポイントも紹介

通信制高校とは、毎日学校に通わなくても、自宅での自主学習を通して単位が取得できる学校のことをいいます。実は、通信制高校にも公立や私立などの種類があります。「学費を抑えて通信制に通いたい」という方に向けて、今回は公立の通信制高校の主な特徴やメリット、学校選びのポイントについて紹介します。

公立の通信制高校の主な特徴や私立との違い

通信制高校は全日制高校よりも安い学費で、高校卒業資格を取得できます。通信制高校には公立と私立があり、公立の場合は私立よりも少ない学費で卒業することができます。まずは公立の通信制高校の学費や専門科目について、私立の場合と比較しながら紹介します。

学費はどれくらい?

公立の通信制高校の学費は、相場としては3年間で約10万円ほどといわれています。金銭的な問題で全日制の高校へ進学できない場合は、通信制高校に進学することでその問題を解消できるかもしれません。例えば、東京都新宿区にある東京都立新宿山吹高等学校の通信制コースは、学費が1科目900円ほどで、年間では前期分19,800円と後期分の18,000円分を合わせて37,800円、3年間通ったとしても113,400円となります。その他、教材費や入学金などの費用がかかりますが、全日制高校へ通うよりもはるかに安くなります。

私立の通信制高校の場合は、学ぶ内容などによって費用相場が異なります。高校就学支援金の利用などで自己負担金額は変わりますので、必ず学校に確認しましょう。卒業するまでに30万円以上かかる学校が多いようです。例えば、千葉県の明聖高校は、世帯収入によって学費は異なるものの、WEBコースは年間最大で111,200円、3年間で換算すると333,600円となります。学校のカリキュラムやコース、学費などは学校によって異なるため、事前に比較検討するのがいいでしょう。

参考

入学案内・募集要項 | 東京都立新宿山吹高等学校

学費|通信制高校(千葉・中野)|通信制高校 明聖高校

専門科目について

公立の通信制高校の中には、文化祭や部活動といった行事に参加すればスクーリングとして、単位を認めている学校もあるようです。また、私立の場合は行事に加えて専門的な科目や資格取得を目指すコースを用意している学校もあります。就職に有利になるような簿記や秘書などの資格、マナー研修など、将来の大学受験を見据えて受験対策コースを設置している点は私立の通信制高校の一つの特徴です。

もし、美容や調理といったコースを受講すると、提携している専門学校にスムーズに入学できる高校もあるなど、私立の学校は公立よりも専門科目に力を入れている傾向があります。その分学費は高くなりますが、「興味がある専門分野の勉強がしたい」「いろいろなことを学んでおきたい」という方は私立を検討するのも一つの方法です。

公立を選ぶメリットは?

公立の通信制高校を選ぶメリットとしては、学費が安いという点が挙げられます。卒業して高校卒業資格を取得すれば、大学進学の道も開けてきます。なるべく学費を抑えて高校卒業資格を取りたいという方は、公立の通信制高校を検討するのがいいでしょう。公立の通信制高校は全国にありますが、スクーリングの回数やカリキュラムは学校ごとに異なります。通いやすさはもちろん、学校の特色を理解した上で子供に合った学校選びをするのがいいでしょう。

学校を選ぶ際のポイント

公立の通信制高校は、前述したように全国にあります。学校を選ぶ際のポイントは個人によって異なりますが、特に以下の点に意識して選んでみましょう。

住んでいる地域の学校を選ぶ

通信制高校は、生徒が通学できる区域によって「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」に分けられます。広域の場合は全国、あるいは3つ以上の都道府県の生徒を募集対象としており、狭域の場合は高校がある地域ともう一つの都道府県の生徒が募集対象となります。通信制高校の場合は、年間20日程度のスクーリングが必要となるケースが多いため、通学に無理のない距離で学校を選ぶのがいいでしょう。

スクーリングは学校への登校日となり、一般的には月に2回以上設けている学校が多いといいます。年に一度だけ集中スクーリングを行う学校や、インターネットによる放送視聴がメインでスクーリングはほとんどない学校など、学校の種類やコースによってもスクーリングの回数は異なります。なるべく学校へ通学したくないという方や、遠方の学校へ通いたいという方は、スクーリングの登校日についても確認しましょう。

カリキュラムを確認する

通信制高校の中には、さまざまな学科やコースを設けている学校があります。通信制高校へ通う目的が大学進学の場合は、「大学進学コース」などの専門科目コースを選ぶのも一つの方法です。しかし、公立よりも私立の方が専門科目のカリキュラムが充実している傾向があるため、公立の通信制高校に進学する場合は複数の学校を比較検討し、進学の目的とカリキュラム内容が合っているかどうか確認しましょう。

サポート体制

通信制高校は、基本的には自宅学習となります。そのため、勉強内容が分からなかったり、勉強の進め方に不安を抱える方もいることでしょう。通信制高校を選ぶ際は、不安を解消してくれるようなサポート体制が整っているかどうか確認することも大切です。学校によってはスクーリング以外の日でも、いつでもサポートできる体制を整えている場合もありますが、公立の通信制高校ではサポート体制が十分でない可能性もあります。自宅学習が難しい場合はサポート体制の有無を学校選びのポイントとして探してみましょう。

通信制高校のデメリットと対処法

通信制高校は、全日制高校よりも安い学費で高校卒業資格を得ることができます。しかし一方ではデメリットもあります。通信制高校のデメリットとしては、自宅学習がほとんどで人と触れ合う機会が少ないという点が挙げられます。しかし、通信制高校を検討している方の中には人間関係やいじめといった理由からあえて通信制高校を選択する方もいます。ストレスなく、集中して勉強に取り組めるとは考えられます。

自宅学習が苦手という方は、自分のペースで勉強を進めることができず、卒業までに必要な単位を取得することが難しくなる可能性もあります。しかし、その場合は自己管理能力や自主性を鍛えるきっかけと捉えるようにし、卒業できるように家族がサポートしましょう。

公立の通信制高校は予算を抑えたい方におすすめ

公立の通信制高校は学費が安いため、費用を抑えて高校卒業資格を取得したい方におすすめです。通信制高校へ進学することによって高校卒業資格を取り、さらにその後の人生へとつなげることができます。自宅学習で勉強を進めることができるのか、興味のある専門科目を学ぶことができるのかなど、さまざまな視点から学校選びをしましょう。今回の記事を参考に通信制高校への進学を検討してみてはいかがでしょうか。

参考

通信制高校について | 学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校

ウェルカム通信制高校ナビ|通信高校の一括資料請求サイト

通信制高校の「私立」と「公立」の違いとは|通信制高校ナビ

公立通信制高校一覧公立の通信制高校一覧 ※2017年1月現在|通信制高校ナビ

通信制高校に通うメリット・デメリット|通信制高校ナビ

通信制高校、公立と私立の違いは学費だけではない? | みんなの通信制高校ナビ

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