都、木造住宅耐震化やブロック塀対策などを報告

東京都は2月4日、新宿区の都庁で第24回「耐震化推進都民会議」を開催した。住宅生産団体連合会や日本木造住宅耐震事業者協同組合など多くの住宅・不動産団体が委員となっている。今回は東京都耐震改修促進計画一部改定素案の概要や、木造住宅の「耐震改修工法・装置」の事例選定の報告などが行われた。

耐震改修促進計画の改定では、災害時に輸送上重要で、倒壊による道路閉塞を防がなければならない特定緊急輸送道路沿道建築物の新たな指標と目標を設定。他県との境から特定の区間までに到達できる確率を区間到達率、区間到達率の平均値を総合到達率と設定。2019年6月末時点で総合到達率91.8%なのを、2025年度末に総合到達率99%かつ区間到達率95%未満の解消、2035年度末に総合到達率100%を目指すとした。

またブロック塀倒壊が危ぶまれることから、特定緊急輸送道路沿道建築物に付随する組積造の塀のうち、(1)新耐震基準導入以前に建築された塀(2)長さが8mを超える塀(3)高さが塀から道路中心線までの距離を2.5で割って得た数値を超える塀―の3条件全てに該当する塀の耐震診断を義務付け、耐震性が不十分な塀の除却や建て替えを促進する。耐震改修促進計画の一部改定は3月末に行う予定。

都では2019年12月に木造住宅の「耐震改修工法・装置」を選定。耐震改修工法部門で13件、装置部門で4件が選ばれ、パンフレットを作成した他、東京都耐震ポータルサイトでも同じ内容を掲載している。

今回で会長を退く樋口冨雄・東京海上日動火災保険名誉相談役は最後に「2014年の会長就任以降、熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震の他、台風など水害も頻発した」と振り返り、「首都直下地震はいつ起きてもおかしくないし、豪雨も増えるだろう、災害に強い社会をつくらないといけない」と語った。

退任する樋口会長は、災害に強い社会づくりを呼びかけた

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