ロッテチェン、五輪予選参加は「コーチ、球団と相談」 熾烈な外国人枠争いに集中

ロッテのチェン・グァンユウ【写真:荒川祐史】

ジャクソン、ハーマン、レアード、マーティンと外国人枠を争う

 台湾代表のセットアッパーとしても活躍したロッテのチェン・グァンユウ投手が4日、春季キャンプ2度目となるブルペンに入り、60球を投げ込み順調に調整を進めている。左腕は4月に行われる東京五輪の世界最終予選に招集される可能性もあるが、現在はキャンプに集中する考えを明かした。

 11月に行われた「プレミア12」では5試合に登板して無失点と好投。「いい経験をさせてもらった。今年はチームのために貢献したいと思います」と、勢いに乗って春季キャンプに突入した。一方で「プレミア12」で東京五輪出場権獲得を逃した台湾代表は最後の1枠をかけて、4月に地元で行われる世界最終予選に臨む。「プレミア12」で主力として活躍したチェンに声がかかる可能性は高い。

 しかし本人は「まだ何も連絡はないですけど、コーチ、球団と相談して」と参戦には慎重。「今はキャンプが最優先なのでシーズンに向けて体を準備したい」とロッテでのプレーに集中する構えだ。昨季は自己最多となる44登板で1勝1敗5ホールド、防御率3.63の好成績を残した左腕だが、この言葉の裏には危機感がある。

 今オフに元広島のジェイ・ジャクソン、楽天からフランク・ハーマンに2投手を獲得。加えて打線の中軸を担うレアードとマーティンらと4つの外国人枠を争わなけらばならない状況に置かれている。「チームが勝つために頑張るつもり。勝つのが最優先なので優勝したいです」と新戦力の加入を歓迎しながらも、開幕1軍には「もちろんです」と負けるつもりはない。

 2日の初ブルペンでは直球だけを40球。「次は変化球も投げます」と宣言した通り、4日は変化球も交えて60球と順調に球数を増やしている。2011年に来日して10年目。「慣れましたね。雰囲気とか。今年はみんなやるぞという気持ちがすごくあるのでいい雰囲気です」と充実感を滲ませる(工藤慶大 / Keita Kudo)

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