“春夏連覇”八木沢氏が西武松坂にエール 「続ける執念が素晴らしい」

西武・松坂大輔(左)を激励する八木沢荘六氏【写真:荒川祐史】

八木沢氏が松坂の甲子園での活躍を回顧「すごいの一言」

 元ロッテ監督で、日本プロ野球OBクラブ理事長の八木沢荘六氏が4日、西武の宮崎・南郷キャンプを訪問。“高校時代甲子園春夏連覇つながり”で、松坂大輔投手を激励した。

 八木沢氏はブルペン内で松坂と遭遇すると、軽くハグを交わし、身振り手振りを交えながらしばし談笑。「昨日の初ブルペンをテレビで見たが、とても元気。40歳、45歳になっても現役を続けようという執念が素晴らしい。野球が好きなんでしょうね」と絶賛した。松坂には過去の活躍が超人的すぎるだけに、「衰えを露呈する前に身を引いた方が……」といった声もないわけではないが、八木沢氏は「周りがとやかく言うべきではない。そういうことは、本人が決めることですから」と強調した。

 1962年に八木沢氏がいた作新学院高が史上初の甲子園春夏連覇を達成した。松坂を擁する横浜高の98年の春夏連覇は、史上5校目にあたる。

 八木沢氏は春の選抜では、決勝で日大三高相手に完封するなど、エースとして大車輪の活躍。夏も予選を勝ち抜いたが、甲子園では初戦前に赤痢に感染していることがわかり、1度も登板せずに終わった。それでもチームは控え投手の奮闘で優勝を勝ち取った。

 八木沢氏は「準々決勝からは回復してベンチ入りしました。大量リードして監督から『1イニングだけ投げるか?』と言われましたが、断りました。甲子園では何が起こるかわからない。せっかくいい流れなのに、私が登板して相手の攻撃が止まらなくなることだってありうるのですから」と明かし、「そんな甲子園で春夏を投げ切った松坂は、すごいの一言」と大きくうなずいた。

 そんな松坂なら、至難にみえるカムバックを果たすことも不可能ではないのかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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