医薬品製造装置に特化 オーカワラテック竣工 西諫早産業団地

オーカワラテックの新工場完成を祝う関係者=諫早市、オーカワラテック

 産業機械製造の大川原製作所(静岡県吉田町)の完全子会社「オーカワラテック」(小柳敦社長)の社屋兼工場が、諫早市久山町の西諫早産業団地内に完成し4日、竣工(しゅんこう)式があった。今月から医薬品製造装置の受注生産と販売を始め、新製品の研究開発拠点にもなる。
 大川原製作所は、原材料を乾燥させる装置で世界トップクラスの技術を誇る。長崎進出は、東海地震や同社に近い中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の災害リスクに備えた業務継続計画の一環で、県内の優れた金属加工技術を評価した。今後、東南アジアへの進出拠点とする狙いもある。
 同社は、安定的な成長が見込める医薬品の製造装置分野に特化しようと、オーカワラテックを昨年11月に設立。大村市にあった設計拠点を移転統合した。
 敷地約9700平方メートルに工場などの建物(延べ床約2100平方メートル)を建設。従業員は県内出身者15人を含む21人で、5年後は30人体制にする計画。医薬品製造装置の部品は県内業者から調達し、協業態勢を整えた。売上高は今年12月までで2億円、5年後には年間10億円を見込む。
 式には、中村法道知事や宮本明雄諫早市長ら約40人が出席。大川原製作所社長でオーカワラテック会長の大川原行雄氏が工場のクレーンを起動させ、操業開始を祝った。

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