依存症 一つずつ問題 乗り越えて 「長崎ダルク」中川代表 多重債務者対応で講演

依存症支援について講演する中川代表=長崎市桜町の市職員会館

 薬物・アルコール依存の当事者を支援するNPO法人ちゅーりっぷ会「長崎ダルク」の中川賀雅代表が4日、長崎市内であった依存症を考える市消費者センターの研修会で講演した。
 多重債務者への対応や庁内外の連携を強化することが目的。地域包括支援センターの社会福祉士など約20人が参加した。同センターの辻田省平所長は「多重債務は依存症が背景にある場合が少なくない。(多重債務者の)対応方法について考える場になることを期待したい」とあいさつした。
 中川代表は、依存症の当事者は「社会の中で、孤独や恐怖といった『生きづらさ』を抱えている」と説明。そうした人から薬物やアルコールを取り上げてしまうと「不安や恐れ、トラウマ(心的外傷)が再燃してしまう」と指摘した。
 その上で「時間をかけて薬物やアルコールを遠ざけることはもちろんだが、依存症を抱える仲間とともに借金や人間関係などの問題を一つずつ乗り越えていくことが大切」と語った。

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