WEC:COTAはLMP1車両が3台に。ジネッタ“運用上の理由”で第5戦を欠場へ

 2019/2020年シーズンのWEC世界耐久選手権に参戦しているジネッタことチームLNTが2月22~23日にアメリカ、テキサス州オースティンで行われる第5戦ローン・スター・ル・マンに出場しないことが明らかになった。

 WECのLMP1クラスに、2台の『ジネッタG60-LT-P1』を投入しているチームLNT。今季から最高峰クラスに参戦している同チームは今月、開催がキャンセルされたサンパウロ6時間レースの代替イベントとしてサーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台に争われる第5戦を“運用上の問題”があるとしてスキップする。

 このためローン・スター・ル・マンの最新エントリーリストでは、TOYOTA GAZOO Racingが走らせる2台のトヨタTS050ハイブリッドと、レベリオン・レーシングのレベリオンR13・ギブソン1台の計3台のみがLMP1クラスの欄に記載されている。

 ジネッタによれば、チームLNTはブラジル・サンパウロからアメリカのオースティンに開催地が置き換えられたことで運用が困難になったという。

 第5戦のスキップに対して出された声明で「5号車と6号車、2台のジネッタG60-LT-P1は12月のバーレーン戦の後、計画的なメンテナンスが必要だった」としたジネッタ。

「WECのカレンダーは、特に初めてのシーズンで新車を使用するチームにとってはかなりチャレンジングであり、我々は8月のシルバーストン以前からファクトリーにシャシーを戻していない」

「ブラジルで行われる予定だったレースが中止になったことと、COTAでの代替戦開催が決まったことで、バージニア州にある我々の施設で行う予定だった作業が不可能になった」

「そのため、チームはバーレーンでのレース後にクルマをイギリスに戻すことにした。クルマはまもなくジネッタのファクトリーに到着することが期待されている」

 事実上のジネッタワークスであるチームLNTは、デビューシーズンである2019/20年シーズンの前半ラウンド全4戦を2台のジネッタG60-LT-P1で戦ってきた。これまでのベストリザルトはシーズン開幕戦シルバーストン4時間レースでの総合3位で、ベン・ハンリー/イゴール・オルジェフ/チャーリー・ロバートソン組5号車がこれを記録した。

 COTAの暫定エントリーリストでは、両方のジネッタが第4戦バーレーンと同じドライバーラインアップでアメリカ連戦のファーストイベントに臨むことが示されていた。その内容は5号車にハンリー、ロバートソンとジョーダン・キングの3名。6号車はクリス・ダイソン、マイク・シンプソン、ガイ・スミスという布陣だ。

 なお、これらのラインアップは3月に行われる第6戦セブリング1000マイルの暫定エントリーリストでも同様の形で掲載されている。

■ドラゴンスピードがLMP2クラスに参戦

 2台のジネッタが姿を消したCOTAの最新エントリーリストだが、LMP2クラスではドラゴンスピードの1台が新たに加わった。

 ドライバーは未発表であるものの、オレカ07・ギブソンでのエントリーが明らかになったチームのエルトン・ジュリアン代表は先月、Sportscar365に「チームは初期の段階でCOTAに出場したい旨をシリーズに提出したが、ガレージスペースが不足するため拒否された」と語っていた。

 その時点でのエントリー台数は31台であったが、2台のジネッタが脱落したことで総数が29台となり、デイトナ24時間レースでLMP2クラス優勝を飾ったドラゴンスピードが参戦することが可能となっている。

1月末に行われたデイトナ24時間レースでLMP2クラス優勝を飾ったドラゴンスピードの81号車オレカ07・ギブソン

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