核軍縮への歩み「非常に悪い状況」 黒澤教授が長崎で講演

核兵器廃絶市民講座

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講演する黒澤教授=長崎市平野町、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 軍縮問題に詳しい黒澤満・大阪女学院大大学院教授がこのほど、長崎市内で「核兵器廃絶のために取るべき措置」と題して講演し、核拡散防止条約(NPT)など核軍縮の歩みを解説した。
 NPTは1970年に発効。5年に1度、再検討会議が開かれている。黒澤氏は講演で、NPTの無期限延長を決めた95年会議と、「核兵器廃絶への明確な約束」など13項目を最終文書に盛り込んだ2000年会議は成功だったと指摘した。
 一方、10年会議は、核軍縮行動計画を含む文書を採択したが00年とほぼ同じ内容で「実行に移されてこなかった」と批判した。21年に新戦略兵器削減条約(新START)が失効する可能性があり「非常に悪い状況だ」と懸念した。
 17年に国連で採択された核兵器禁止条約にも言及。核兵器の非保有国が主体となって動き、国家ではなく人類の生存に対する安全保障になっている点が、従来の核軍縮条約とは異なると解説した。日本政府を賛同に向けて動かすには、地元の国会議員への働き掛けが重要だとした。
 講演は県、市、長崎大でつくる核兵器廃絶長崎連絡協議会が主催する核兵器廃絶市民講座の一環。約70人が聴講した。