お餅、余っていませんか?
お正月を過ぎると余ってしまう食材の一つに「お餅」があると思いますが、残ったお餅、皆さんはどのような食べ方をしていますか?
ただ焼くだけではもったいない!お餅は味にくせが無いので、和洋中どんな味付けにもアレンジ可能な食材。
また、加熱すれば色々な形に変化するので応用が利き、様々な料理に活用できます。
家で食べるだけではもったいない!実は山向きの食材だった?!
一般的にスーパーで個包装になって売られている「角餅」あるいは「丸餅」などの切り餅は、包装袋に脱酸素剤を添付したり、袋内の酸素を除去してカビが発生しにくくなっております。そのため商品にもよりますが、常温でも約2年の賞味期限が。
常温保存でき、なお且つコンパクトに一つづつまとめられているのでかさばらないことも大きなポイントです。
さらに山でお米を炊くのは時間がかかってしまいますが、お餅なら焼き網を使えば短時間で栄養補給することができます。
ゆっくり消化・吸収してくれるお餅
平均的な切り餅1個(50g)当たりのエネルギーは約120Kcal 、ご飯普通盛り(150g)だと252Kcal。おおよそ「お餅2個分=ご飯1杯分」と考えて良いでしょう。
持ち運びも簡単、さらに手間もかからず調理できるため、手軽にエネルギー補給したい時には最適な食材です。
栄養成分で見てみると、登山中の主なエネルギー源となる糖質(炭水化物)がメインで、たんぱく質や脂質はあまり含まれていません。
そして、糖質の種類も砂糖のような“単純糖質”ではなく、体内にゆっくりと消化・吸収される“複合糖質”と呼ばれているものなので、登山の様に持久力を必要とするスポーツにはパフォーマンスを持続させるうえで適した食材と言えるでしょう。
手軽に食べられて、登山に必要な栄養素もばっちりとれるのならぜひとも活用したいですよね?!
そこで今回は、足りない栄養素も補いつつ、お餅を使っていつもとは違った山ごはんを楽しめるレシピを3品ご紹介します。
揚げ出し餅のだし茶漬け
最初のレシピは、お餅をおかきの様にカリっと揚げ焼きにし、“だし”をかけたお茶漬け。
カリカリっと焼かれたお餅の外側を噛み締めると、とろーっと出汁の染みたお餅が溢れ出す、食べ出したら止まらなくなる病み付きの美味しさです!
トッピングはお茶漬けに合いそうなものなら何でもOKですが、コンビニでも売っている焼き魚やサラダチキンなどをトッピングすれば、足りないたんぱく質もとれてボリューム満点ですよ。
材料(2人分)
切り餅 3個
白だし 大さじ3
水 300ml
お好きなトッピング 適量
サラダ油 大さじ2
下準備
切り餅を4等分に切っておく。
作り方
①フライパンにサラダ油・切り餅を入れ、弱めの中火にかけきつね色になったら面を変え、全体的にカリッとしてくるまで揚げ焼きにする。
出来たら器に移しておく。
②フライパンの油をキッチンペーパー等で拭き取ったら、白だし・水を入れ、沸騰するまで温めてだしを作る。
③作っただしをお餅を入れておいた器に注ぎ、お好きなトッピングを添えれば完成!
今回はほぐした焼き鮭と三つ葉をトッピング。
こちらは梅干し・しらす・大葉をトッピング。
さっぱりと食べられるうえ、クエン酸の疲労回復効果が期待出来てお勧めです!
shiho
お餅はフライパンで加熱するとぷく~っと膨らみ、くっつきやすくなるので、離して並べるのがポイント!
牛ごぼうの中華おこわ風炊き込みご飯
次はお餅を入れて作る、中華おこわ風の炊き込みご飯です。
おこわは一般的にもち米で作るのですが、わざわざ買わなくても切り餅をカットして炊き込めば、驚きのもちもち食感に!
もちもち食感のお陰で、冷めたり多少時間が経っても美味しく食べることができます。
具材たっぷりの炊き込みご飯は、ご飯もおかずもバランスよく食べたいけれど、調理にそれ程手間をかけられない!という方におすすめ。
調味料が入っていることで白米を炊くよりは噴きこぼれにくいので、コツをつかんでしまえば簡単にお腹も満足できるご馳走山ごはんが完成します。
材料(2人分)
無洗米 1合
水 230ml
牛こま切れ肉 80g
舞茸 1/2パック
切り餅 1/2個【A】
オイスターソース 小さじ2
しょう油 小さじ2
酒 小さじ2
鶏がらスープの素 小さじ1
ごま油 大さじ1/2青ネギ 適量
下準備
・切り餅は1cm位の角切りにしておく。
・無洗米に水を入れ、30分以上浸水させておく。
・【A】の調味料を混ぜ合わせておく。
・舞茸は食べやすい大きさに割き、青ネギは小口切りにしておく。
作り方
①浸水させておいた水と米を鍋に移したら、【A】を入れて軽く混ぜ、牛肉・舞茸・切り餅を広げながら乗せる。
②蓋をして、中火~強火にかける。
沸騰の状況が分かりづらい時は、数回程度なら蓋を開け閉めしても出来上がりには影響はありません。
③沸騰して噴きこぼれそうになってきたら、弱火にして13分加熱する。
お焦げを作りたい場合は最後は強火にして、30秒ほど加熱します。
④火を止めて、10分蒸らす。
手ぬぐいなどに包んでから、保冷バッグに入れることで保温状態をキープします。
よく混ぜ合わせて、器に盛り付けたら青ネギを乗せて完成!
shiho
写真では分かりづらいですが、蓋を開けると粘り気のあるお餅が表面に張り付いているので、
炊きあがったらご飯とお餅をなじませるために、しっかりと混ぜ合わせるのがモチモチに仕上げるポイントです。
今回は牛肉を使用しましたが、ご飯やお餅に豊富な糖質を素早くエネルギーに変換するために必要な栄養素はビタミンB1だということを以前の記事でお伝えしました。
ビタミンB1を豊富に含む食材を使うのなら、牛肉を豚肉やウナギのかば焼きに代えてみるのもアリだと思います。
【管理栄養士から学ぶ山ごはん#2】”バテない”ためのアレンジレシピ
登山には欠かせない”山ご飯”。多くの体力を消耗する登山では、いかに必要な栄養を効率よく補給するのかが重要になってきます。簡単なのに美味...
あんことお餅のホットサンド
最後はありそうでなかった、あんことお餅の鉄板コンビをカリッと焼き上げた食パンでサンドした、おやつ系山ごはん。
表面にしっかりバターを塗っておくことで、フライパンで弱火でじっくり焼いても表面はパリッと仕上がり、甘いあんこととろ~っととろけるお餅がたまらないホットサンドです。
*食パンは2人分で4枚使用しました。
材料(2人分)
食パン8枚切り 4枚
バター 20g
つぶあん 1本(内容量:130g)
切り餅 1個
下準備
・食パンの片面にバターを塗っておく。1人分(8枚切り2枚)で10g使用します。
(塗った面を張り合わせてラップで包んでおくと持ち運びに楽です。)
・切り餅は薄くスライスしておく。
作り方
①フライパンに食パンのバターを塗った面を外側にして置き、ゆであずき(あんこ)1/2量と切り餅1/2個分を広げながら乗せる。
バターを塗った面を外側にして上にもう一枚乗せる。
②弱火にして、時々上から押さえつけながら蓋をしてこんがりきつね色になるまで焼く。
③ひっくり返して裏面も同様に焼く。
④残りの2枚も同様に焼く。
shiho
フライパンで作れるホットサンドを紹介しましたが、ホットサンドメーカーがあればより美味しく作れます!
糖質がメインでエネルギーをしっかりと補給したい時にお勧めのレシピです。
お餅は冷めると固くなるので、作ったら食べきるようにしましょう。
登山にぴったりの食材”お餅”で美味しくパワーチャージ
焼いたり煮たりする以外にも、たくさんの活用法があったお餅。持ち運びもしやすく登山にもピッタリの食材となれば、もはや余り物ではなくスタメンですね。見た目も味も美味しいお餅レシピ、ぜひ作ってみてください!