逗子の住宅街で斜面崩落 県立高3年女子、巻き込まれ死亡

崩落した現場の地図

 5日午前8時ごろ、逗子市池子2丁目の市道脇にある斜面が崩落した、と通行人から119番通報があった。付近を歩いていた同市在住の県立高校3年の女子生徒(18)が巻き込まれ、病院に搬送されたが死亡が確認された。県警は女子生徒の死因や崩落の原因などを調べている。現場は住宅街で、ほかにけが人などはいなかった。

 市や市消防本部によると、崩れたのは1950~60年代に造成されたとみられる高さ約15メートルのマンション下の斜面で、下部の6~7メートル分は石積みの擁壁で補強されている。擁壁上の斜面が幅約7メートル、高さ約6メートルにわたって崩落し、下の市道には幅13メートルにわたり、42.5立方メートルの土砂(重さ約70トン)が最大約2メートル積もった。 斜面の一部が大きくえぐれ、ガードレールが折れ曲がるなどした。

 崩落した斜面は、県が2011年に土砂災害警戒区域に指定しており、市はハザードマップやホームページに掲載して周知していた。建築制限などはないという。市によると、私有地のため、安全対策などは所有者が行う。斜面下の市道を管理する市は「崩落などの危険の予兆は、特に把握していなかった」と説明。逗子署も、昨年秋の台風でも崩落などの被害はなかったとしている。

 斜面はマンション住民が共同で所有しているとみられ、市は同日午後にマンション管理会社と面会し、現場の安全確認や今後の安全確保策を要望した。市は「今後、安全対策工事の実施を働きかける」としている。

 現場は京急線神武寺駅から東へ約300メートルの、住宅やマンションなどが立ち並ぶ地域。市は崩落直後から、現場付近約250メートルを全面通行止めとしており、通行再開時期は未定という。

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