2020年のハードウェアビジネス リセッションをどう乗り越える? メーカーは「DX、働き方改革、GIGAスクール、地方」に期待

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今年1月14日、ついに「Windows 7」「Windows Server 2008 R2」の延長サポートが終了した。特にPCは特需が発生し、2019年のメーカー、販社の業績を押し上げたが、20年はその反動減を懸念する声も根強い。日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、林宗治会長)が1月27日に都内で開いた新春セミナーで一堂に会した主要メーカー各社は20年の経営戦略を販売パートナー向けにアピールしたが、目立ったキーワードは「DX」「働き方改革」「GIGAスクール」、そして「地方」だ。(本多和幸)

エッジAIの拡大が

もたらすデバイスの新たな商機

JCSSAの新春セミナーでは、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、日本HP、Dynabook、富士通、日立製作所、VAIO、レノボ・ジャパン、NEC、日本マイクロソフトが各社の経営戦略を説明。主要メーカーが顔をそろえた中で、全社に共通していたのは、DXと働き方改革のトレンドがPCをはじめとするハードウェアのビジネスにも継続して成長の機会をもたらす可能性が高いと見ている点だ。

日本HPやレノボは、エッジAIの拡大などを見越してIoTのエッジデバイスに注力することを強調。また、Dynabookは、「(親会社である)シャープとのシナジーを強めており、8K+5Gのエコシステムで重要なポジションを担う8K映像編集PCシステムで新市場の開拓に力を入れていく」(覚道清文社長)とした。製品の5G対応と、早期の市場投入に言及したメーカーも多かった。ユーザー企業のDXの基盤となるような新たなシステム構築に向けて、PCメーカーが果たすべき役割はまだまだあることを訴えたかたちだ。

また、働き方改革の本質とも言える生産性向上に寄与する商材として、各社とも薄型・軽量で堅牢性の高いモバイルPCの需要が引き続き堅調であるとの見通しを示した。独自のセキュリティ対策ソリューションをこうしたPCと合わせて展開したり、コラボレーション、コミュニケーションのためのアプリケーションに最適化したデバイスなども開発・提供するといったメッセージも目立った。柔軟かつ効率的なワークスタイルを実現する「ソリューション」の価値づくりを、メーカー側からも進める動きが顕著になっている状況がうかがえる。

「GIGAスクール構想」は

無線LAN環境との複合提案も

さらに、20年のPC需要を支える動きとして各社が言及したのが、「GIGAスクール構想」だ。児童生徒向けに1人1台の学習用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する国の施策で、19年12月13日に閣議決定された。児童生徒の学習用に適したWindows PCにとどまらず、文教市場での活用拡大が期待されるChromebookなども含め、GIGAスクール構想のガイドラインに適合した商品の開発・拡販に力を入れる方針を示すとともに、無線LAN環境の整備などと合わせて複合型の提案で商機を拡大できるフィールドであることを強調したメーカーが多く、JCSSA会員の販売パートナーに協力を求めた。

地方市場でのシェア拡大に意欲を見せたのは、VAIOとHPEだ。HPEは「地方のSMB市場での浸透度がまだまだ低い。近日発売予定のコンパクトで強力なエンタープライズサーバーを武器に、パートナーのみなさんと一緒に販路を拡大していきたい」とした。一方、VAIOは「地方では、東京でのイメージとは異なり法人向けPCとしての認知度が低い。露出拡大とともに、販売パートナー網をしっかり整備していきたい」とした。

JCSSA林 宗治 会長

JCSSAの林会長は、「各社とも、DXを核にソリューション提案にシフトするなど、特需の後ならではの経営戦略を固めている。販売店も販売を進化させていかなければならない」とコメント。販売パートナー側も、市場の変化に合わせたビジネス変革をメーカーと協調しながら進めていく必要があることを示唆した。