【インタビュー】漫画家・荒木飛呂彦さん 『これからも続く物語』

「ずっと描いてきてよかった」と語る荒木さん

 -「ジョジョ」シリーズは10、20代の女性ファンも多く、幅広い世代に人気。
 そこが漫画のすばらしさ。ずっと描いてきてよかった。続けてきたからこそ新しい読者がついてきたのだろうし、やめていたら長崎にも来られなかったかもしれない。今、ここにいられることに感謝している。

 -同時開催の「椛島勝一展」の展示作を選んだ。
 (椛島勝一の絵から)僕が勉強させてもらったのは、ペン画の線。本質は、冒険に出ていくロマンを描いている。シルエットや、見えていない風の描き方に影響を受けたので、そうしたことを中心に選んだ。

 -30年以上描き続けている。作者の側に変化は。
 若い頃は迫力を追求して、力業で描いたりしている。でも、年齢を重ねると余裕が出てきた。若い頃はビートが激しいけど、今はゆったりした、夜のジャズのような絵を描いてみたいとか、そういうのはある。

 -これからもシリーズを描いていくのか。
 「ジョジョ」的な発想で描く。読者もそれを期待しているだろうし、ここで作風を変えることはない。何を描いても、おそらくジョジョになってしまう。ぶれないのが荒木飛呂彦かな。

 -シリーズが終わるときの構想はあるのか。
 「ジョジョ」はキャラクターを決めて、そこにストーリーがついていくような作り方をしている。今回は今回、来月は来月っていう作り方で、キャラクターだけが動いていく。そのシリーズのラスト(の構想)はおぼろげにあるが「ジョジョ」のラストは考えたことはない。

●関連記事

© 株式会社長崎新聞社