県道付け替え道路 反対派議連が視察 石木ダム建設事業

付け替え道路工事の現場で県職員の説明を受ける議員=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、行政代執行による土地の強制収用に反対している超党派の議員連盟が5日、ダム建設に伴う県道付け替え道路の工事現場を視察した。
 国会議員を含む計13人が参加。県石木ダム建設事務所の田中良一次長からダムの規模や目的、工事の進展状況などの説明を受けた。
 付け替え道路は、ダムに水没する県道の代替道路として整備。県によると全長約3.1キロで、このうちダム本体に近い約1.1キロの区間で工事を進めている。
現場では反対住民らが抗議の座り込みを続けていて、現在までに完成しているのは約200メートル。
 県は、本体工事で既存の県道が使えなくなる前に、住民が通れる迂回(うかい)道路を2020年度内に整備すると説明。「迂回道路が完成すると現在の県道は使えなくなるのか」という議員の質問には「状況を見て総合的に判断する」と述べた。
 県議の堀江ひとみ氏は「県道は住民の生活道路で、使えなくなると影響が大きい。道路を使えなくすることで、反対住民を心理的に追い込み、立ち退きを迫るような状況にならないよう警戒したい」と話した。

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