大分トリニータ 開幕まで2週間、2020バージョンの姿は

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 鹿児島のトレーニングキャンプを終え、2020シーズンの形が少しずつ見えてきた。チームが始動してから4度の対外試合では、新加入11選手の特徴を把握しながら、昨季までの既存の選手との相性や組み合わせを試した。片野坂知宏監督が「ウチのコンセプトにあった選手を獲得した」というだけあって、新戦力は高い戦術眼を見せ、すんなりとチームになじんでいる。チームの仕上がりは早く、先発メンバーの大枠が固まった感はある。片野坂監督は、「これまで大きなけがで離脱する選手もなく、自分が求めている戦術の狙いを理解してくれた。戦い方のバリエーションも増え、リーグ開幕までの2週間でコンディションと戦術を高めたい」と最終調整に入ることを明かした。

 

 昨季の主力が屋台骨を支えることになりそうだが、その中で先発メンバーに定着しそうなのがFW知念慶とMF野村直輝の新加入の2人。知念は昨季10得点を挙げたオナイウ阿道、9得点の藤本憲明が抜けた穴を埋める役割が課される。身体能力の高さとフィジカルの強さを備えた“これぞストライカー”といえる知念に掛かる期待は大きい。昨季はシーズン途中に藤本が移籍して以降、前線でボールが収まらず、苦戦した経緯がある。強化部とともに片野坂監督はヘディングが強く、ポストプレーもでき、前線で体を張れる選手の獲得に動き、前所属の川崎で出場機会が少なくなった知念が大分のスタイルに当てはまると確信し、口説き落とした。知念は「問題なくプレーできている。大分の選手は技術が高く、使われる側、(ボールの)受け手となる自分としてはやりやすい」と話し、二桁得点は最低限のノルマと自覚している。

5年目の片野坂知宏監督の下でチームは成熟

 

知念の周りを衛星的に動き、得点もアシストも狙える野村も評価を高めている。昨季J2徳島で39試合に出場し7得点、12アシストを記録した攻撃的MFだ。広い視野と機転が利いたプレーで好機を演出するだけでなく、自らフィニッシュにも関わることができる。対外試合では自陣で守備ブロックを固めた相手に対し、狭いスペースでボールを受け、鋭いドリブルでボールを運び、チームに推進力を呼び込んだ。MF田中達也とは旧知の仲で、大学時代は九州選抜として一緒にプレーしたというだけあって、同サイドに並んだときの突破力は昨季にないものだ。甲府との対外試合では田中のクロスに頭で合わせ先制するなど、互いの良さを引き出している。野村は「達也とのプレーと同じように(ボールがほしい時の)タイミングが周りの選手と共有できれば最後の崩しの部分の精度は上がる」と話し、今後も微調整を続ける。

 今季の重点課題となる得点力アップには、新加入組の突き上げは必至だ。FW知念、MF野村の他に渡大生や町田也真人による2列目のから飛び出しやぺナルティエリア付近での崩しの形も増えており、攻撃のバリエーションは昨季よりも多彩になっている。また、フォーメーションも3-4-2-1をベースに、前線の起点を増やせる3-5-2も状況に応じて相手のズレを生じさせる手段として使えそうだ。今季はリーグ戦開幕の前にルヴァンカップがある。この試合をリーグ戦0節と捉えて最良の選手とフォーメーションを選択したい。

新加入の野村直輝はチームに欠かせない存在になりつつある

(柚野真也)