投資で資産5.5億円を築いたwww9945さんに聞く、株の「楽しさ」と「始め方」

株、先物、FX、仮想通貨など、資産を増やす手段はたくさんあります。その中で株を選び、資産5.5億円、配当金収入のみで年収1,500万円を実現したwww9945さんに、株の魅力について聞きました。


自分に合う方法の見つけ方

――投資法は、ファンダメンタルズとテクニカルといった手法の分類や、株主優待や配当などインカムゲインを狙う投資と、値上がり益を狙うキャピタルゲイン狙いの投資といった投資スタンス面での分類があります。これから投資を始める人にはどんな投資法が良いと思いますか。

向き不向きは人それぞれなので、いろいろやってみると良いと思います。

私自身も、投資を始めたころはチャートで売買するテクニカル派で、業績やPERなどの指標はあまり気にしていませんでした。比率でいうと、最初の10年は、テクニカル7、ファンダメンタルズ3くらいだったと思います。今はその比率が逆転し、テクニカル3、ファンダメンタルズ7くらいです。

投資を続けていくと自分に合う方法が見えてくるものです。その時々の相場によっても合う方法、合わない方法が出てきます。その結果、自分なりの投資法も確立されてきます。

――www9945さんがファンダメンタルズ分析やバリュー投資を意識するようになったきっかけは何だったのですか。

2003年くらいからYahoo!掲示板や2ch(現5ch)の株スレッドなどに個人投資家の書き込みが多くなりました。そういったコミュニティに入り浸ることで、自分以外の投資家がどんな点を見て、どんなことを考えているのかわかるようになり、バリュー投資やファンダメンタルズ分析といったアプローチを覚えていきました。

当時は前述の通りチャートを見て売買していましたので、その経験もあって、いまもチャートはよく見ています。そこにPERなどの指標で分析する方法が加わって、だんだんと今の形になっていきました。

――いまもネット上の株コミュニティは増えていますし、売買も情報収集もネットでできるようになりました。その点で見ると個人投資家の投資環境は飛躍的に良くなっていますね。

そう思います。私はかつて週刊ゴールデンチャートなど紙の本を買ってチャートを分析していましたから、そう考えると大きな変化です。すべてのチャートがリアルタイムで見られますし、15時になれば短信も読めますし。

母が初めて買った銘柄は?

――インカムゲインとキャピタルゲインに関しても、やりながら理解していくようなイメージでしょうか。

実際に買ってみたり、配当や値上がり益を手にすることによってわかることも多いと思うので、インカムゲイン、キャピタルゲインといった分類はあまり考えず、自分が興味ある会社や、身近な業界の銘柄などをまずは買ってみるのが良いと思います。

――まずは買ってみる。できれば身近で、事業内容などを理解できる銘柄を選ぶことが大事なのですね。

そう思います。私の母が最初に買った株も、普段から利用していたイオン(8267)とカスミ(現在はユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)の子会社)でした。両方とも株主優待があるので、よく買い物するなら買ったらどうかと勧めたのです。その後、2銘柄とも株価が2倍くらいになり、そこでハマりました(笑)。

――株はやはり上がった時の喜びが大きいですよね。

はい。キャピタルゲイン狙いの人はもちろんですが、優待100株投資であっても値上がりは嬉しいことです。それとは逆のパターンになったのが妹です。妹も株に興味を持って、最初にヤーマン(6630)を買いました。しかし、これがどんどん下がっていくのです。買った時が1,700円くらいで、1,400円くらいまで下がった時に損切りしましたが、その後も下げ止まらず最安値で600円台まで下がりました。

――リスク資産である以上、損する可能性は受け入れなければなりませんね。

そうですね。ただ、勝ち負けはともかく、株を売買することで新たな発見もあると思います。

例えば、手放した銘柄は上がっても下がっても関係ないのですが、売った価格から上がると悔しいですし、下がったら嬉しく感じるものです。そういう感情を自覚することによって、自分が意外と欲張りだと気付いたり、恨みを持つタイプだと実感することもあります。

いままで知らなかった自分や、新たな自分の側面を知るという点で、株は投資先の企業について知ることであると同時に、自分を知ることにも通じると思います。妹も、売った株がもっと下がってほしいと願っている自分に気づき、ハッとしたと言っていました(笑)。

株は努力が報われやすい

――www9945さんがもっとも楽しく感じるのはどんな瞬間ですか。

利益確定した時です。利益が出れば、そのお金で狙っている配当銘柄が買えます。現金や信用口座の買い付け余力が戻り、次に狙っている成長銘柄も買えるようになります。気になる銘柄や買いたい銘柄は常にリストアップしていますので、利確することによってその銘柄を買えるようになる瞬間が最高です。

儲かる嬉しさというよりは、次の銘柄が買える嬉しさです。

――そのためにも銘柄選びや情報収集は入念に行う必要がありますね。

そうですね。ただ、そのための調べ物も楽しいです。例えば、情報収集のオフ会などで株について語り合うのも楽しいですし、そこで知り合った人たちと現地に旅行したり、株を通じて人脈が広がるのも株の良い点だと思います。

当然、負けることもありますし、思ったような値動きにならないこともあります。そういう時は真剣に理由を考えます。負けるのは嫌ですし、負けたくないのですが、負けた原因を分析している時は、実は少し楽しんでいるのかもしれません。

そう考えると、勝ち負けの原因を分析できるという点が重要なのかもしれません。投機的な要素が強い先物、FX、仮想通貨などは、値動きの理屈がわからないか、わかりづらいことが多いため、因果を掘り下げる楽しさという点でどうしても株より見劣りしてしまうと思うのです。

――儲かることだけが楽しみではないということですね。

もちろん、儲かることは大事です。私もできれば楽に儲けたいです(笑)。

ただ、一発当てよう、楽に稼ごうと思って競馬やパチンコをやる人も、勝つために馬のラップタイムを分析したり、朝早くからパチンコ屋に並んだりしていますよね。そこまで熱心にやるなら、普通の仕事でもうまくいくだろうというくらい真面目に取り組んでいる人がいます。怠惰にやろうと思って勤勉になってしまうパターンです(笑)。

その結果として勝率が上がるとすれば、株はパチンコ屋などのように寺銭がない分、努力が成果に結びつきやすいといえます。これから投資を始める人にも、理屈が通じ、努力が報われやすい世界で稼いでほしいと思います。

本記事は取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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