2020年3月JRダイヤ改正でぐっと便利になる鉄道と航空、増発や新列車は?

JRグループは2020年3月14日にダイヤ改正を実施します。今回の目玉は東海道新幹線「のぞみ」や東北新幹線「はやぶさ」の増発、伊豆方面への新しい特急列車の運転などですが、中でも東海道新幹線の全列車をN700Aタイプに統一し、1時間当たりの最大運転本数が「のぞみ」12本となります。

また、航空では羽田空港発着の国際線の増便や、那覇空港の2本目の滑走路の供用開始など、東京オリンピックに合わせた空の便の利便性を高めるものです。羽田空港は現在の国内線第2ターミナルも国際線に使用するため、羽田空港のターミナルの名称変更などを実施します。この春は鉄道も航空もより快適で利便性の高いものとなり、ビジネスや観光の旅がしやすくなります。


東海道新幹線「のぞみ」の利便性が大きく向上

東海道新幹線東京~新大阪間には、1時間当たり最大10本の「のぞみ」が運転されていますが、ダイヤ改正後は2本増えて最大12本の運転となります。これは全列車が最高速度285km/hのN700Aタイプとなるためで、東京~新大阪間の所要時間も最大7分短縮し、「のぞみ」の全列車が2時間30分以内の運転となります。

最大12本運転の東京駅発は00・09・12・18・21・24・30・39・42・48・51・54分で、このうち18・39分発が増発された列車です。東京駅7時台では、00新大阪、09博多、12臨時新大阪・広島・博多、18臨時新大阪、21臨時新大阪・博多、24臨時新大阪、30博多、39臨時新大阪、42広島、48臨時新大阪、51博多、54臨時新大阪となります。また、03「ひかり」岡山、27「こだま」名古屋、33「ひかり」新大阪、57「こだま」新大阪の4本の定期列車があります。

各駅停車の「こだま」は所要時間がかかりますが、割引きっぷや片道の旅行商品「ぷらっとこだま」があるので、観光旅行では「こだま」もおすすめです。ちなみに東京~新大阪間の所要時間は約3時間54分となりますが、1964年10月開業時の「ひかり」は4時間、「こだま」は5時間運転でしたので、前回のオリンピックを思い出しながら利用するのも楽しいものです。

引退した700系

東北新幹線「はやぶさ」増発と新しい特急電車

東北新幹線「はやぶさ」

東北新幹線東京~新青森間の利便性を高めるため、1日3往復の「はやぶさ」が増発となります。全車指定席の「はやぶさ」は東京駅発6時32分の「1号」が満席となる日があり、それを補完するために東京駅発7時~仙台駅着8時38分~新青森駅着10時15分の「3号」(現在の「3号」は7時36分発)が増発されました。

このほか、東京駅発14時28分~仙台駅着16時2分~新青森駅着17時41分~新函館北斗駅着18時40分の「29号」、東京駅発16時28分~仙台駅着18時2分~新青森駅着19時41分の「37号」が増発列車となります。上り列車は東京駅着11時44分の「12号」、14時32分着の「20号」、19時32分着の「36号」が増発列車です。

また、東京・新宿~伊豆急下田間を結ぶ特急「スーパービュー踊り子」が引退し、新たな観光列車として特急「サフィール踊り子」が運転を開始します。ゆったりと過ごせるプレミアムグリーン車や家族連れやグループ旅行に最適なグリーン個室を連結した列車で、全車グリーン車指定席という豪華さが特徴です。なお、車内のカフェテリアでは、ヌードルや軽食なども楽しめるのも魅力です。

羽田空港発着の国際線を増便・ターミナル名称変更

羽田空港

海外から東京オリンピック観戦で日本を訪れる人が増加するタイミングで、新たに東京上空を飛ぶ離着陸ルートの運用が2020年3月29日から始まります。羽田空港にはA~Dまでの4本の滑走路がありますが、これまで使用されていないB滑走路のランウェイ22からの離陸(都心方面に向かう)、新宿の上空からA・C滑走路のランウェイ16L/Rへの着陸などの新たなルートで発着便数が増加します。

国際線の増便に対応するため、現在の国際線ターミナルだけでなく、ANAグループが使用している第2旅客ターミナルも国際線が使用することになります。このため、第1旅客ターミナルビルは第1ターミナル(略称)、第2旅客ターミナルビルは第2ターミナル(略称)、国際線旅客ターミナルビルは第3ターミナル(略称)に名称が変更されます。

京急電鉄国際線駅

なお、2020年3月14日のJRグループダイヤ改正に合わせ、東京モノレールは羽田空港第2ビル駅が羽田空港第2ターミナル駅、羽田空港第1ビル駅は羽田空港第1ターミナル駅、羽田空港国際線ビル駅は羽田空港第3ターミナル駅に駅名を変更します。京急電鉄は羽田空港国内線ターミナル駅が羽田空港第1・第2ターミナル駅、羽田空港国際線ターミナル駅は羽田空港第3ターミナル駅になります。

国内外観光客で賑わう沖縄がより便利に

沖縄の青い海

観光路線として人気のある沖縄の空の便は、これまで1本の滑走路で運用されてきたため、国内・国際線のLCCの就航などで混雑度が高まっていました。那覇空港は従来の国内線ターミナルビルに続く形で新しいLCCおよび国際線ターミナルの供用が開始されており、後は滑走路の発着容量が問題となっていました。新滑走路の建設は2014年から進められてきましたが、2020年3月26日から供用開始が決定。

発着回数の処理能力は現在の年間約13万5000回から年間24万回まで増加することとなり、沖縄への足がより充実したものになると期待されています。


今回は東京オリンピックを控えた2020年3月に実施されるJRグループや空港の最新情報をお届けしました。この春から利便性が向上した東海道新幹線「のぞみ」や東北新幹線「はやぶさ」、伊豆方面の新しい観光特急列車、羽田空港や那覇空港を利用した空の旅を楽しんでみませんか。

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