BMI、野菜摂取量、筋力… 健康まちづくりへデータ測定/青森・浪岡

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実証試験でフレイルの進行具合を診断する立ち上がりテストを受ける参加者
野菜の摂取量を測定する参加者

 青森市と医療機器メーカー「フィリップス・ジャパン」は、2020年度から同市浪岡地区で始める健康まちづくり事業の前準備として、地区住民らを対象に実証試験に取り組んでいる。最新技術を持った民間企業と行政がタッグを組んで、住民の健康寿命を延ばす一方、全国各地への普及に向けた事業モデルを探るのが目的だ。実証試験の様子をのぞいてみた。

 「もうちょっと頑張って野菜を取りましょう、という結果ですね」「えー、結構食べてるのに」

 1月下旬、同市浪岡地区の花岡プラザ。野菜の摂取量を測った住民たちが口々に驚きの声を上げた。実証試験には地区内外から61人が参加した。住民たちには笑顔も見え、和やかな雰囲気の中、測定が進んでいった。

 市とフィリップスが「ヘルステックを核とした健康まちづくり連携協定」を結んだのは昨年2月。ヘルステックとはヘルス(健康)とテクノロジー(技術)を融合させた造語。この産業分野は、高齢化の流れも相まって堅調な成長が見込まれている。

 柱の一つは、生活習慣や加齢により心身が衰えた状態「フレイル」を予防する簡易健診。車で地域の集会所などに出向いて実施し、2021年5月に開業予定の新浪岡病院に併設する「あおもりヘルステックセンター」を拠点に、体格指数(BMI)や野菜の摂取量、筋力など住民の健康に関するデータを集めて分析する。著名企業の「カゴメ」「ネスレ日本」「タニタ」なども参加し、技術やノウハウを提供する。

 もう一つの柱は見守りサービス。例えば、家庭の分電盤に電力センサーを装着し、スマートフォンなどと接続して、家電の使用状況から生活リズムを推測できる。何日も家電が使われていなければ、住む人に何か異常があったのでは、と駆け付けることもできる。

 ほかにも、ロボットを使ったテレビ電話での遠隔診療を行うなど在宅医療の充実も期待できる。市は既に、浪岡病院の患者3人に協力してもらって見守りサービスや、スマホのアプリで電動歯ブラシの使用データを確認できる在宅の口腔(こうくう)ケアなどの試験を始めている。

 地域住民の健康を守るために民間企業が参画する取り組みは、県内では05年度から始まった弘前市の岩木健康増進プロジェクトが有名。弘前大学が中心となり、現在参画企業・研究機関は40を超え、千人以上の2千項目にわたる健康データが集められている。

 浪岡地区での取り組みについて、浪岡病院の長内哲史事務長は「もう少し地域の人に足を運んでもらいたい。検診の流れなどを検討して、実施に向け調整していく」と本格スタートに向け意気込みを語った。

 8日には、浪岡地区の北中野公民館でも簡易健診の実証試験が行われる。