20年ぶり偉業、「もう一人の日本代表」久保修平レフリーが見た「W杯の裏側と日本ラグビーの課題」

日本中が熱狂のうちに幕を閉じたラグビーワールドカップ2019。日本代表が史上初めてベスト8に進出する快進撃を見せたが、選手以外にも注目となった人物がいた。日本人で20年ぶり、唯一、審判員として選出された久保修平氏である。世界からたった7人しか選ばれないアシスタントレフリーとして挑んだラグビーワールドカップで、いったい何を感じたのか? 大会までにはどんな厳しい道のりがあったのか? そして、日本のレフリー事情にはどんな課題があるのか? 久保氏に話を聞いた。

(インタビュー・構成=浜田加奈子[REAL SPORTS編集部]、インタビュー撮影=長尾亜紀、写真=Getty Images)

ラグビーワールドカップ2019のレフリー選考は2016年から始まっていた

日本中で盛り上がりを見せたラグビーワールドカップ2019(以下、ワールドカップ)でアシスタントレフリーとして出場お疲れ様でした。大会が終わった後はどのように過ごしましたか?

久保:1週間ほどはゆっくりしましたが、ジャパンラグビー トップリーグ2020(以下、トップリーグ)が1月から始まるので、今は準備がいろいろと始まっています。(編集注:取材12月15日)

ワールドカップでは世界トップの方たちと一緒にレフリーを務めましたが、日本のレフリーと世界トップレフリーにはレベルの差などは感じましたか?

久保:間違いなくありましたね。レベルが違うからワールドカップを担当している人たちなので。そういう意味で世界のベストレフリーが集まってきていると思います。

普段の試合とワールドカップでは雰囲気も違ったかと思います。あの場に立って気付いたこと、あの場に立ったからわかることは何かありましたか?

久保:日本の試合だとそこまで感じませんが、ワールドカップという舞台は4年に1度の祭典で、場の雰囲気や盛り上がりも違うように感じました。またそれぞれの国のプライドを背負っていたり、選手自身の人生を懸けて戦っていると思うので、選手たちからも普段の試合とは違う雰囲気があり、選手、審判団どちらもプレッシャーを感じるんだと思いました。

大会期間中はワールドカップ審判団の方たちと交流や意見交換といった時間は多くありましたか?

久保:大会が始まってしまうとほぼ毎日試合があったので、みんなが一堂に会するというのは、大会期間中4、5回なんですね。我々はいろいろなバックグラウンドを持った人間が集まっていたので、今回の大会レフリー陣は2016年からスタートしていました。スタート当初は候補が6、70人いる中から、徐々に絞っていきます。また、同じ時間を共有するのは年に2回、6月、11月のキャンプで同じ判定の基準とか考え方をどう持てるかを主に取り組み、それに3年ぐらいずっと費やしてきました。そういったことを大会前に行ってきましたので、大会が始まったらそれをやるだけでしたね。

区切り区切りで何か、一次選考、二次選考と、テストのようなものがあったのですか?

久保:はっきりしたテストとかはないです。集められて、みんなで研修をして試合が割り当てられるんですね。

あとはパフォーマンスです。パフォーマンス次第で残れるか残れないか、なぜ残れないか、こういうところに問題があったからという理由などで、2016年にいた人が十数人いなくなったり、逆に、2016年にはいなかったけど翌年新たに十数人選ばれる人もいます。徐々にメンバーを替えながら人数も絞られていきます。またスーパーラグビーや、ヨーロッパのEPCR(ヨーロピアンプロフェッショナルクラブラグビー)というクラブリーグがあるんですけど、そこで良い笛を吹くということが前提にはなってきます。

大会期間前からキャンプなどで面識はあったと思いますが、改めて交流をし直すことは特になかったのでしょうか?

久保:大会の1週間前にチームビルディングを目的に、もう一回ここから再スタートということでキャンプを行いました。日光に行って滝行をしたりしました。滝の中に入っていくのは覚悟もいりますし、一点に集中しておかないと本当に危険な荒行なので、飛び込んでいく覚悟の気持ちと集中すること、そこにフォーカスを当てて学んだと思います。

あとは、そういうシリアスなものもあれば、みんなで話題を決めて話したり、みんなでハーモニーをどう奏でるかみたいなグループワークを行ったり、そういうこともピッチ外ではやりましたね。

滝行は一般人もそうですが、アスリートの方でもする人はなかなかいないと思います。

久保:私も滝行をやったことがなかったので、外国人のレフリーからどういうものなんだって言われて説明には困ったんですけど、ただそれはワールドカップという未知の舞台ですごく生きましたね。滝という未知のステージに覚悟を決めて入り込んでいくという意味ではいい経験ができたなと思います。

アシスタントレフリーはレフリーの気持ちを汲み取ることが大切

アスリートで試合前とか、ピッチに入る前など何かジンクスを持って挑む方もいますが、レフリーの方もそういうジンクスを持っているのですか?

久保:私はないですね。昔はよくルーティーンなどもやっていましたが、そういうのが崩れる、多すぎてできなくなることがあると、逆にそれが足かせになる場合もあるので、今は必要なことだけ行っていますね。そういう細かいことよりも、試合がある1週間の中でどれだけ良いトレーニングをして、フィジカルだけじゃなく一緒に組む人の性格も含めてチームとしてどういうふうに機能しているのか分析を行うことに時間は費やしますね。

それではワールドカップ期間中も特別に何か行うことをせずに、普段通りの準備で挑めたということなんですね。

久保:今までやってきた仕事があるから今があるわけなので、ワールドカップだからといって特別なことをする必要はないと思っています。当然ワールドカップはスペシャルな舞台だから、いつもと違うことを予測するということはありましたけど、だからといってアプローチを大きく変えることは危険もあるので、大会前までに調整を終わらせることが大切だと思います。

ワールドカップは最後に発表する場で、そこでいきなり何か大きく変えても混乱が生じるだけなので、そこは自分がやってきたことを信じて出すだけですね。

ラグビーの試合はすごくダイナミックに展開しますが、レフリーの方たちすごく細かいところも見ていますよね。例えばスクラムの時にどう崩れたのか、ボールが今どこにあるのかは一般の人からではなかなかわかりにくいと感じます。あれはどのように見ているのですか?

久保:スクラムは一番難しいところで、8人、16人がやっているのを、アシスタントレフリーも入れたら2人で見ているんですけど、見るべきポイントは多いので、逆に複雑だからこそシンプルに見ようとはしますね。簡単に言うと、スクラムでは最初にフロントロー(※1)同士の頭が当たっていないか、組む前から頭の位置をまず見ますね。そして自分の中でチェックリストがあるので、足の位置、腰と肩の高さなど見るべきポイントを確認します。確認後、バインド(※2)でバランスが保たれているかを見て、セットをコールします。そこで勝てば有利だし、負ければ不利だしということで、不利なチームはどういうことが起こりやすいかとか、勝っているチームはどうしたいのかということもありますのでシンプルに見ますね。

(※1最前列で相手フォワードを組み合う3人)
(※2スクラム、ラック、モールの状態で、他のプレーヤーをしっかりと腕全体を使って抱え込むこと)

ラグビーのレフリーは他の競技に比べて常に声を出していると思いますが、アシスタントレフリーの方も声を出す機会は多いのでしょうか?

久保:レフリーは選手に対して非常にコミュニケーションをとっているので常に声を出していますが、アシスタントレフリーはレフリーほど多くはないです。レフリーからアシスタントレフリーに対してのリクエストが出る時もありますし、逆にアシスタントレフリーからレフリーに対してオフサイドがありましたよとか、今のは危険なタックルですよ、というコミュニケーションもとります。

そこのコミュニケーションは、情報が多すぎるとレフリーが困る部分もありますし、逆に少なすぎるともっと情報がほしかったと思うので、必要に応じて必要な良いタイミングで、レフリーへどれだけ伝えられるかが大事ですね。

ほどよい情報量はレフリー、アシスタントレフリー両方の経験があるからレフリーが希望している情報量がわかるということですね。

久保:アシスタントレフリーをやるのであれば、レフリングの理解や自分もレフリーを経験していないとレフリーの気持ちもわからないので、できないと思います。レフリーが話していることはアシスタントレフリーの耳にも一言一句入ってくるので、それを聞き判断しながら、笛を吹くレフリーの気持ちを理解する。ここで情報が欲しいなとか、ここは逆にいらないなというところは汲み取りながら行っていく必要があります。

世界で活躍するレフリーになるためには他の仕事のバランスをとるのが難しい

日本国内でプロフェッショナルレフリーとして活動されているのは久保さんお一人ですが、プロフェッショナルレフリーになるために何か条件があるのでしょうか?

久保:別に公募があったわけではないんですよ。海外も別に公募とかでやっているということではないですね。プロフェッショナルレフリーになる前からレフリーでご飯を食べたいという気持ちもありましたし、レフリーにフォーカスしたいという思いはすごく強くありました。以前は教員をやりながらレフリーをやっていましたが、なかなか自分のやりたいことと仕事のバランスをとるのが難しくなってきた時期にちょうど、日本ラグビーフットボール協会もフルタイムで対応できて、世界に出て行くことができるレフリーを輩出していかなければいけないというタイミングもあって、声をかけていただけました。(編集注:久保氏は日本ラグビーフットボール協会が2005年、世界に通用するレフリーを育成するために創設したレフリーアカデミーの1期生)

世界に出て行くというのは、国際試合のレフリーも含まれるということですか?

久保:もちろんそういうことです。国際試合で笛を吹いて認めてもらえないとワールドカップで吹くチャンスはないです。

日本で活動されているレフリーの方は、他の仕事をしながらレフリーを行っていると思いますが、今後も久保さんと同じようにプロフェッショナルレフリー一本で活動していきたいと思う方もいらっしゃるのですか?

久保:若いレフリーの方から相談もあったりしますので、プロフェッショナルレフリーで活動したいという人や、もっといい環境で活動したいと思っている人もいると思います。私も最初は教員と両立できていた部分があるんですね。レフリーをやっていることが学校現場で生きるし、学校現場でやっていることがレフリングでも生きていました。仕事を持っている方もその辺の想いを持ちながらバランスをとってやっているかと思います。現状トップリーグは企業スポーツなのでプロリーグではないですけど、レフリーに求められているものはプロフェッショナルなところになり、仕事をしながら行うのは非常に難しいと思います。

あとレフリーは平日にチーム練習に来てくださいという依頼をチームからたくさんいただくこともあります。チームに所属している選手はお昼で仕事をあがって、そこから練習ですが、我々レフリーはフルタイムで働いて、19時、20時からジムに行って汗を流したりします。私の場合は教員だったので生徒と一緒に走ったり、トレーニングの一部を行うことはできていましたが、全員が全員そういう環境ではないので空いた時間の中でそこにコミットメントをしていくことをしています。世界を目指していくうえでは非常に厳しい環境ですね。

久保さんが教員をされていた時は、国際試合にも行っていたんですか?

久保:最初が確か2011年頃だったと思いますが、教員をやっていた時から海外でテストマッチに行っていましたね。

海外に行きながら教員を行うのは大変そうですね。

久保:最初はインドに1週間ほど休みを取って行きました。アジアぐらいだったらまだいいですけど、2012年に3週間弱アメリカに行って、2013年にも3週間フランスに行くことが2週間ぐらい前に急遽決まった時は厳しかったですね。学校の仕事でも責任が増していくポジションにありましたし、その中で2、3週間空けられるというのは、学校としては痛かったと思いますね。

学校側の理解がないと行えないことですね。

久保:理解を本当にしていただきましたし、自分もその理解を得るために信頼を勝ち取るという思いでやっていました。今両立されている方もレフリーとしての活動と仕事とのバランスに加え、そこに家族などのプライベートのことも加わるので本当にギリギリのところでされていると思います。

トップリーグのプロ化の話が出ていますが、仮にプロ化となりチーム数も増える場合、現状のレフリーの人数で足りるのでしょうか?

久保:レフリーの人数自体は徐々に増えてきています。学生レフリーや20代で始めている人もいますので、若くしてレフリーをやりたい人が増えてきているのは非常にうれしいところではありますね。なので、人数が足りてないというよりも、もっと良い条件、環境の整備を行うのがまず必要かと思います。レフリーとしてプロフェッショナルなものが求められている中で、お金が全てではないですが、いろいろな仕事、プライベートを犠牲にしながらやっている現状が果たして本当に正しいのか……と思います。レフリーを行っている人はみんなジムに行って自分の体のコンディショニングをしていますし、私も教員をやっていた時からトレーナーを雇っています。より良い環境を自分で揃えようとする個人努力の部分と、それ以外の部分というバランスが少し崩れているのかなと思っています。

やっぱりトレーニングやトレーナーを雇うなどは自費ですよね?

久保:今はそうです。ただ、その部分をラグビー協会の中でも変えていこうと、トレーナーやS&C;(ストレングス&コンディショニングコーチ)が入って、みんなで一緒にトレーニングをやることもあるので、少しずつ変わってきています。

レフリーの1週間はアスリートと変わらない

久保さんはどのように1週間を過ごしているのでしょうか?

久保:例えば今週1週間ですと、昨日土曜日は試合で、今日はレフリーの講習会とこの取材、このあとリカバリーと、レビューとして昨日行った試合の映像をチェックします。それから体のメンテナンスをしに行きます。明日月曜日は走って、火曜日はジムで下半身をメインに鍛え、水曜日がオフ、木曜日にもう一回走って、金曜日にジムに行って、土曜日が試合というサイクルですね。あとはその中にその週の試合に向けて、両チームの映像のチェックや、一緒に組む人の連携の確認だったりそういったところも含めて行っています。

アスリートと変わらないですね。

久保:準備としては変わらないと思います。

選手と同じように試合中80分以上一緒に走るために体を鍛えるトレーニング以外に必要なこともありそうですね。例えば選手の中でも海外で活躍することを目標にしている場合は語学を学んだり、栄養士に食事面をサポートしてもらったりなどがありますが、レフリーの方も行われているのですか?

久保:そうですね。まずトレーナーはつけていますし、食事の面に関しては私の場合は妻がアスリートフードマイスターなどの勉強してくれてサポートしてくれています。あとは語学ですよね。これはラグビー協会が(株式会社)イーオンと提携していてサポートを受けています。

あとはラグビーを知るというところでは、ルールだけではなく今のラグビーはどのようなラグビーなのか、現代のラグビーはどのような方向性に行っているのか、今の流行りは何なのかというところを追いかけておかないと、頭でっかちになってしまいます。なので、チームの練習に行って、選手に対してレフリーはこう思っているということを伝えますし、チームからは私たちの考えているラグビーはこうなんだよ、というやりとりを現場でやるようにしています。

どの競技でもビデオ判定が導入されたりと、どんどん新しいテクノロジーが導入されていますが、レフリングを行ううえでどのように見ていますか?

久保:常に新しいものを取り入れていくべき部分と、変わらないものや、昔のほうがいいものもあります。ラグビーでいうと、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)という映像機器を使って確認する方法がありますが、それを使うということは当然試合を止めることになるんですね。実は試合の流れを止めずに、レフリーたちが現場で判断できた状況でTMOを使用し、流れを止めてしまい見ている人の興味を削いでしまったり、時間がすごくかかりすぎたりといった弊害もあります。当然正しい結果を得なければいけないので使わなかったら、なんで使わなかったんだという話になります。そこはセンスとバランスが必要になってくると思います。

昔はそういう機器がない中でやっていましたし、そういう機器がなかったから劇的な得点の瞬間なども生まれるわけなので、そういう良いものと悪いものの部分というのは常に変わっていくものだとは思いますね。

確かにTMOで判断するほうが良い場合と使用しすぎると試合が止まり試合に影響が出る場合があるので、TMOを使用するのはバランスが必要ですね。TMOが導入される前はそういった判断がしにくい場面もレフリーの目で判断を行っており、判断がしにくい場面だからこそ自分自身のレフリングに自信を持っていないとしっかりとした判断ができないかと思いますが、自信を持つという意味でメンタルも鍛えていらっしゃるのでしょうか?

久保:メンタルを鍛えるというより、自分自身を知るということがまず一番なのかなと思います。私がとにかく意識していたのは、自分自身がどういう人間なのか、どういう時にどう冷静さを失いやすいのかを知ることをしていました。

最初の頃は、メンターがついておりいろいろなプロファイリングしてもらい、私自身は過度に期待しすぎる傾向があると教えてもらいました。例えば試合前に今日の試合は良くなるかもしれない、良い笛が吹けるかもしれないと期待して試合に挑んでみたけど、試合途中で自分が想像していた試合展開じゃない時に自分の精神を戻すのがすごく大変だったんです。なので、常に最悪のシナリオを想定することでそうならないとか、この試合では自分はこういうふうな方向性で持っていきたいというトリガー、引き金を自分の中で持ち、立ち返られるようなものを用意したり、自分自身をどういうものか認識して、どう戻していくのかというようなことを行っていました。

メンターにプロファイリングしてもらった性質、傾向は、試合の中であらためて向き合っていくということでしょうか?

久保:まず全く試合とは離れたところでプロファイリングをしてもらい、自分の認識している箇所と試合をしながら振り返ってみて認識する箇所から、具体的な対処方法を一つ試合前に自問しておき、試合の中で自問していた状況がもし起きたら対処方法を試してみて、使える、使えないという判断を繰り返してやっていくという感じですね。

それは今もやられているんですか?

久保:今もいろいろとやります。試合前に今日はここだ、みたいな部分を用意しています。最近は何か大きなことを準備することはないですが、いい準備ができたら自信にも繋がりますし、あとは何もない試合は逆にない、何かしら起きるのでそれはそれで今までの経験を基に対処を行うようにしています。私たちは基本的にプロアクティブよりもリアクティブに何か起きたことに対してアクションを起こすので、そういうところでも自分を知ることは大切かと思いますね。

目指すは日本人レフリーがワールドカップに立つこと

今回ワールドカップではアシスタントレフリーでしたが、次の大会ではレフリーとしてピッチの中に立つことが目標でしょうか?

久保:現役レフリーである以上、より高みを目指したいというのはもちろんそうだと思います。今もレフリーを続けている理由の一つでもありますし、自分が評価されなかった、うまくいかなかったことを次のステージ、またはトップリーグで自分の中でもう一回課題修正してできるようにしていきたいと思います。

その結果が、次のワールドカップが開催される2023年となればベストだと思います。私が今回のワールドカップでアシスタントレフリーになるまで6年かかりました。6年かかったけど笛が吹けなかったということは、レフリーとして笛を吹くにはもっと時間をかけることが必要かもしれないし、違ったやり方が必要かもしれない。そう考えた時に、自分自身が現役として目指していきながら、私の次にワールドカップに選ばれる日本人レフリーをどう作っていくか。日本のレフリーのスタンダードも上げながら、若いレフリーも含めてどういうふうにクリエイトしていくかを考えていきたいですね。

若手のレフリーに対して講師のようなこともされているのでしょうか?

久保:今日もそういった講習会をやっていましたが、トップリーグの中でアシスタントレフリーを務める人たちに対して、こういうふうにやっていきましょうというのを各地でやっていますね。

他に、高校生の大会でも教えることもありますし、自分が今回のワールドカップで経験させてもらったことを次に伝えていくというのは、私しかできないことだと思うので、それは積極的に受けるようにしています。

<了>

PROFILE
久保修平(くぼ・しゅうへい)
1981年6月9日生まれ。日本ラグビーフットボール協会 (JRFU) 所属、同協会公認A級レフリー。また日本人初のラグビープロフェッショナルレフリー。
2016年スーパーラグビーでは日本人として初めてレフリーを務めた。2019年ラグビーワールドカップでは日本人で20年ぶり4人目となる審判団選出となりアシスタントレフリーを務めた。

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