握った手の数しか票は出ない!選挙プランナー秘伝の「勝つ握手」!|選挙プランナーによる必勝講座【選挙ノウハウ】

選挙プランナー松田馨が、政治家を志しこれから選挙への立候補を考えている方や現職政治家の方へ、選挙に勝つためのノウハウを解説していく『地方選挙 必勝講座』。

今回のテーマは、政治家・候補者にとっては日常的に行う「握手」について。
政治の世界では「握った手の数しか票は出ない」という格言があるほど握手は重要で奥が深いものです。そこで今回は地上戦の基本ともいえる「あいさつ回り」そして効果的な握手のコツについて解説いたします。
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

ドブ板選挙とは?

選挙の地上戦といえば、「ドブ板選挙」という言葉を皆さんも聞かれたことがあると思います。中選挙区時代に候補者や運動員が戸別訪問をする際に、昔の家の前によくあった側溝を塞ぐ板(ドブ板)を渡って家を訪ねたことから、戸別訪問を中心とした選挙は「ドブ板選挙」と呼ばれています。

ドブ板選挙は現代でも有効

ドブ板選挙というと古い時代の選挙の代名詞のように感じられる方もいるかもしれませんが、有権者と候補者が直接会って話をする対面での接触は、有権者の印象にも残りやすく知名度を上げていく上で効果が高い活動の1つです。
アメリカでは、家のドアをノックするということから「door-to-door campaigning」と呼ばれ、最も基本的な選挙運動としてどの陣営でも行っています。
世界で最も激しい選挙といわれるアメリカ大統領選挙において、ネット選挙の印象が強いオバマ陣営も、実はICT(情報通信技術)を活用して効率的に徹底した戸別訪問を行っていました。※1

※1:参考・海野素央(2009)『日本人だけが知らないアメリカがオバマを選んだ本当の理由―オバマ草の根運動』同友館

公選法的には?

日本では戸別訪問の禁止があるため、こうした訪問活動自体が違反になると誤解されている方もいらっしゃいます。ここで、戸別訪問の禁止について定めた公職選挙法 第138条の全文を見てみましょう。

第百三十八条
何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。
2 いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。

政治活動と選挙運動の違いについて以前のコラムで説明しましたが、この第138条で規定しているのはあくまで選挙運動のために個別訪問をすることを禁止しているというものです。ですから、政治活動で戸別訪問をすることは禁止されていません。
政治活動で行う戸別訪問のことを、本コラムでは「あいさつ回り」と記載します。有権者に直接会って政策を説明し、後援会への入会をお願いし、握手をするといった形であいさつ回りを行い、自分だけの地盤を創り上げていきましょう。

握手の重要性

日本ではビジネスでもあまり握手をする機会はありませんが、選挙では「握った手の数しか票は出ない」という格言もあり、握手は非常に重視されています。
握手をすることで、相手に親近感や好感を与えることができるという研究結果※2 もありますので、お会いした方にあなたの印象を残すため、恥ずかしがらずに自分から積極的に握手をしていきましょう。

※2:参考
Sanda Dolcos,Keen Sung,Jennifer J.Argo,Sophie Flor-Henry and Florin Dolcos(2012)『The Power of a Handshake : Neural 132 Correlates of Evaluative Judgments in Observed Social Interactions』Journal of Cognitive Neuroscience Volume24 Issue 12

握手の極意

選挙での握手は
● 自分から
● 笑顔で相手の目を見て
● 両手でしっかりと握る

この 3 点が基本です。「よろしくお願いします」「ありがとうございます」という言葉を 添えて行いましょう。その上で、相手や状況に応じて主に以下の5つの型を使い分けてみてください。
ちなみに1の型は、AKB48グループの現役アイドルの方が、握手会で実際に工夫されているやり方です。

秘伝!握手『5つの型』

1、 接触面の型
片手で握手をした後、もう片方の手を相手の手の下にそっと添える握手。手の接触部分を増やして、相手に強く印象を残したい時に。 ※異性に対しては不快感を与えないように注意

図1:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.132

2、 遠慮の型
そっと手を添える程度の優しい握手。遠慮がちに握手をする有権者に対しては、無理に強く握らず控えめに。

図2:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.132

3、 謙虚の型
姿勢を相手より低くして両手で握手。
主に目上の方やご年配の方に対して。

図3:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.133

4、 お願いの型
目を合わせた後、深く礼をしながら頼み込むように両手で握手。心からのお願いや感謝の気持ちを示す時などに。

図4:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.133

5、 縦振りの型
両手で握手をした状態で、相手の目を見ながら上下に軽くふる縦振り握手。知人友人へ、これからも宜しくという気持ちを示す時などに。

図5:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.133

地上戦、やるべきことは他にもある!

前回のコラムでも解説しましたが(「選挙運動、なににどれだけ戦力配分すべき!?」)
有権者と直接触れ合う「地上戦」は、当選に必要な票数が少ない「地方議会議員選挙」ではとても重要な活動となります。
多くの場合、地道に活動すれば当選に必要な票数以上の人と直接会って握手をすることができるからです。
また、地上戦には「組織団体への推薦依頼」「ミニ集会などの少人数集会」など、様々な活動があり、それぞれに効果を最大化させるコツがあります。
スペースの関係上、本コラムにそのすべてを載せることは出来ませんが選挙マニュアル本「地方選挙必勝の手引」にてそれぞれ詳しい解説を行っています。更に深く知りたい方はぜひご一読下さい。

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