元服にちなんだ伝統行事「十四歳立志式」 愛川町の全中2が一堂に、将来へ決意

14歳の決意を語る愛川町の中学2年生たち=愛川町文化会館

 「自分の道を自分で切り開く」「責任の持てる人になりたい」。神奈川県愛川町の中学2年生が一堂に集い、将来への誓いを立てる「十四歳立志式」が7日、同町角田の町文化会館で開かれた。自治体主催としては県内唯一で、愛川町の伝統行事。町立全中学校3校の計348人が学校ごとに、自らが思い描く将来や自分の目標を発表した。

 式は、武士の男子らが数え15歳で大人になったことを示す「元服式」にちなんでいる。自分の進むべき道を考える機会にしてもらおうと、毎年実施し今回で52回目。生徒は学校ごとに代表が壇上に上がり、誓いや決意を発表した。

 愛川中は「何事も諦めずに挑戦していきたい。夢に向かって努力していく。自分を大切に自分を信じ、感謝の気持ちを忘れず、周りの人を支えられる人になる」などと誓った。

 愛川中原中は「これから自覚と責任を持って過ごし大人になる準備を始めます」とし、「目標とする人は、子どもたちに夢を与える人、未来を支える存在」と宣言した。

 そして愛川東中は「私たちにはいろいろな悩みがあり、弱い自分に負けそうになってしまうときがあります。そんなときに支えてくれる人がいます」と友人、教師、両親らに感謝を伝えた。

 3校はそれぞれ、感謝の気持ちを込め、校歌などの合唱を披露した。

 2部では、2018年に日本人初の無補給単独歩行による南極点到達を果たした冒険家荻田泰永さん(42)=愛川中卒、町内在住=の講演も行われた。

 荻田さんは極地冒険で直面した危機をクイズ形式で紹介。生徒たちは写真から気象条件などを分析して、さまざまな答えを出し盛り上がった。荻田さんは「知識、経験、技術、備えがあると見えるものがある。冒険も仕事も同じ。今はぜひ勉強し、そしてチャレンジしてほしい」と後輩たちを激励していた。

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