クルーズ船2019年実績 長崎県内入港数 2年連続減 20年は新型肺炎の影響懸念

 長崎県は7日、2019年のクルーズ客船の県内入港数は前年比19.3%減の272回で2年連続の減少、乗客乗員数は前年比21.1%減の98万9096人で6年ぶりに減少したと発表した。今年は過去最多の444回の入港を見込むが、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大している影響で減少する可能性があり、県は「全く見通しが立たない」と長期化を懸念している。
 入港回数の内訳は、長崎港183回、佐世保港79回、その他の港が10回。全体の8割を占める中国発着クルーズの増加が一段落して市場の調整局面が続いており、入港、乗客乗員数がいずれも減少した。
 県国際観光振興室によると、20年は中国発着クルーズの回復が予想されており、1月末時点の入港予約を基に、入港数が過去最多になると見込んだ。しかし、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が深刻化し、1、2月だけで既に10件以上の入港取りやめが出ているという。
 同室は「今後の状況は予測できないが、安全、安心が最優先となる。一日も早い新型肺炎の終息を願っている」としている。

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