新型コロナウイルス新たに3人感染 横浜港のクルーズ船、沖へ移動

一時的に横浜港を離れ太平洋へと向かう「ダイヤモンド・プリンセス」=8日午前9時35分ごろ、横浜港・大黒ふ頭

 厚生労働省は8日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者のうち新たに3人に新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表した。船内で確認された感染者は計64人となった。

 厚労省によると、乗客乗員らを対象にした検査で、7日に新たに6人の検査結果が判明し、このうち3人から陽性反応が出た。神奈川県によると、3人は同日中に県内の感染症病棟がある医療機関に搬送され、入院した。クルーズ船で感染が確認されたのは検査した279人中、64人となった。

 3千人以上の乗客乗員は船内で待機する状態が続いている。乗客がバルコニーの手すりに「くすり届かず」と垂れ幕を掲げるなど、船内で医薬品不足が指摘されていることについて、厚労省の担当者は「船内で待機している乗客数が多く、必要な薬の入手など全ての要望には応え切れていない。できるだけ早く用意したい」としている。

 クルーズ船は8日午前9時半ごろ、真水の精製など運航に必要な作業を行うため、着岸していた横浜港・大黒ふ頭をいったん離岸し、房総沖の太平洋上に向けて出港した。船内では風邪をひく人が現れるなど体調を崩す人がいることから、医師や看護師ら検疫官約30人らが乗船した。

 市によると、クルーズ船は9日午前8時ごろに再び大黒ふ頭に着岸する予定。

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