今季最多2万5000人の巨人キャンプ! 育成モタ、石川…紅白戦で存在感を出したのは?

紅白戦で存在感を示した巨人・石川慎吾【写真:荒川祐史】

育成のドミニカ出身外国人モタは3安打&2打点、ローテ候補の桜井も好投

 ベテラン、中堅、若手と熾烈なアピール合戦が繰り広げられた。巨人の今キャンプ2度目の紅白戦。サンマリンスタジアムの観客からはどよめき、拍手が何度も起きた。スタンドでは配布された選手名鑑をめくりながら、ファンは出場した経歴を確認しながら楽しんだ。この日、球団発表で今季最多の2万5000人が来場。首脳陣やファンにインパクトを残したのは誰だっただろうか。

 最も、ファンが「あれは誰だ?」と目が点になったのはイスラエル・モタ外野手。ドミニカ共和国出身の24歳で、ナショナルズ傘下マイナーを経て昨季、巨人と育成契約を結んだ。188センチ、98キロから繰り出されるパワーには目を奪われる。1回目の紅白戦でもタイムリーを放ってアピールしたが、この日も3安打2打点。左翼の守備でも強肩を披露。支配下入りへアピールした。当たれば飛ぶ規格外のパワーの持ち主。1軍で活躍するためにはコンタクト力を上げること、1軍投手の変化球、配球などにどのように対応できるかがキーとなる。

 白組の「5番・左翼」で出場した石川慎吾外野手も攻守で存在感を示した。初回2死の打席で紅組先発の今村信貴の連続四球で一、二塁すると、石川はライトオーバーの先制2点二塁打を放った。二塁に到達すると、大きなガッツポーズも披露し、観客を沸かせるファンサービスも忘れなかった。左翼の守備でも3回、紅組・山本の飛球をスライディングキャッチ、続くモタの左翼フェンスに到達する打球もクッションボールを処理して、二塁に送球し、アウト。進塁を防ぎ、得点を許さなかった。

 今季2ケタ「13勝」を目指す右腕・桜井俊貴投手は白組で先発。2回無失点と好投した。昨季は中継ぎでプロ初勝利をしてから先発ローテに加わり、8勝をマーク。今季は菅野、新外国人投手のサンチェスに次ぐ存在として大きな期待がかかる。今年は海外には行かず、都内でトレーニングをし、体幹や下半身をより強化。ボールにも強さが増した。2回は四死球などで2死満塁のピンチを迎えたが、最後も三振で仕留め、得点を許さなかった粘りも見せた。

 白組の2番手だった左腕・田口麗斗投手も上々の登板だった。2回2安打無失点2奪三振の内容。走者を背負ったが危なげない投球だった。昨年は主に救援で55試合に登板。今季は慣れ親しんだ先発のマウンドを目指していく。先発ローテ候補のメルセデスが左肘の違和感でファーム調整となったため、左腕のローテ候補としてこのまま好調を維持していってもらいたい。

 他にも背番号が24に変わった大城は3安打を放つ活躍を見せた。途中出場の田中貴も雄たけびを上げながら、中前適時打をマークした。この日は小林や岸田も出場し、正捕手争いはこれからも注目だ。他にも主砲の岡本が初実戦で相手の守備の乱れも絡んだが、三塁打をマーク。高卒3年目の内野手・湯浅もきっちりと左前安打を放ち、次の打者の初球で盗塁を決めるなど、若い力もキラリと光った。今キャンプは坂本や丸、亀井らがS班で調整しており、首脳陣の目が行き届く緊張感からか、中堅、若手のいいプレーが引き出されているように映った。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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