大型トレードはツインズ撤退濃厚に 前田移籍も消滅か

ムーキー・ベッツとデービッド・プライスの2人がレッドソックスからドジャースへ移籍する予定の三角トレードからツインズが撤退することが濃厚となった。ツインズは今回のトレードでレッドソックスへ有望株右腕のブルスダル・グラテロルを放出し、ドジャースから前田健太を獲得する予定だったが、グラテロルの身体検査において問題が発生。耐久性に懸念があると判断したレッドソックスが追加の有望株をツインズに要求したため、トレード成立は暗礁に乗り上げていた。

グラテロルは「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングで球団3位・全体83位にランクインする有望株であり、レッドソックスは将来的に先発ローテーションの一角を担うことを期待していたようだ。しかし、身体検査において耐久性への懸念が発覚し、レッドソックスは「将来的に先発で使うのは難しく、リリーフ起用が濃厚」と判断。これを受けてツインズに「球団トップ10クラスの有望株」をもう1人要求したものの、ツインズは応じなかった。

スター外野手のベッツを放出する予定のレッドソックスの立場からすると、それに見合うだけの対価がほしいというのは理解できる。しかし、今回の三角トレードでツインズが獲得する予定となっているのは前田だけであり、先発3番手クラスの投手に球団トップ10クラスの有望株2人を放出するわけにはいかないというツインズの姿勢は当然だろう。レッドソックスとドジャースによる純粋な2球団間のトレードではなく、ツインズを含む三角トレードになったことが招いた結果と言えるかもしれない。

今後はドジャースがグラテロルに代わる若手有望株を用意するか、プライスの残り契約の負担割合を増やす形で解決が図られると見られる。可能性は低いものの、ツインズ以外の球団を交えた三角トレードに発展する可能性もあるようだ。少なくとも現時点では、前田がドジャースからツインズへ移籍する可能性は限りなくゼロに近い状態となった。また、エンゼルスがドジャースからジョク・ピーダーソンらを獲得するトレードも、ベッツを含む大型トレードの成立待ちとなっている。

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