闘病も乗り越え 憩い提供

来年、45年の節目に閉店 日光の喫茶店

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漫画や趣味のバイクが並ぶ店内と打越さん

 【日光】今市の喫茶店「ちゃちゃはうす珈紋(かもん)」が来年5月5日、開店45周年の節目に惜しまれつつ閉店する。同店はオーナーの打越由紀男(うちこしゆきお)さん(67)が23歳の時、下鉢石町にオープンした店が前身。今市への移転や自身の闘病などの歴史を振り返り、打越さんは「閉店に悔いはない。残りの1年ほど、初心を思い出しながら走り抜けたい」と話している。

 打越さんは都内や宇都宮市の喫茶店で修業を積み、「いろいろな種類のコーヒーが飲める店を出したい」と1976年4月26日、前身の「こうひいしょっぷ珈紋」を開業。地元住民や観光客らに愛され、当時の来客が自由に記入していた伝言ノート100冊ほどは今でも店内に残る。

 85年には「もっと大きい店にしたい」と現在地に移転。店名も「しょっぷ」から「はうす」に変えた。人気は続き、店舗の増築を重ねた。「頑張った分だけ店が大きくなった。やりがいがあった」と振り返る。

 しかし、45年間の道のりは平たんではなかった。8年前、打越さんにステージ4の甲状腺がんが見つかった。術後、声帯や左手に後遺症があったが、「趣味のバイクに乗りたいし、仕事もしたい」との思いでリハビリに励み回復。今では「大変なことを克服した経験は、同じ境遇のお客さんの励みになる」とかつての困難をプラスに捉えている。

 「県外の常連さんもいるし、早くから告知してケジメをつけたい」と昨年5月、閉店を発表。閉店を惜しんで涙を流す常連客もいるという。

 閉店まで1年余り。打越さんは「こうひいしょっぷ時代の常連さんにもまた来てもらって、昔を思い出してほしい」と呼び掛ける。閉店後については「これまで一生懸命働いてきた。残りの人生を元気なうちに家内と楽しみたい」と笑顔を見せた。(問)同店0288・22・9788。