「カレンダー」が自宅訪問の貴重な〝架け橋〟に 町民有志

集まったカレンダーは愛川町福祉センターで配布している=同町角田

 不要のカレンダーを高齢者や障害者との交流や見守りに活用する取り組みが、愛川町で行われている。町民有志らが各家庭から余ったカレンダーを回収。町福祉センター(同町角田)で配布し、使いやすいカレンダーを探している障害者らに利用してもらうほか、地域住民に高齢者宅を訪問するきっかけにしてもらいたい考えだ。

 取り組みを続けているのは、町民有志や民生児童委員、ボランティア団体関係者ら21人でつくる「愛川の底力住民委員会」(事務局・愛川町社会福祉協議会)。町地域福祉計画・地域福祉活動計画を策定する際に開かれたワークショップの参加者を中心に、2007年に発足した。

 カレンダーが入手できずに困っているお年寄りや見やすいカレンダーを探している障害者がいる一方で、各家庭で余ったカレンダーが廃棄されるという“ミスマッチ”に着目。住民が地域に住むお年寄りや障害者に声を掛け、家を訪れるきっかけになると考え、18年から始めた。今や、民生委員や自治会役員らにとって、カレンダーは自宅を訪問する際の貴重なツールになっているという。

 今年も約200のカレンダーが集まった。メンバーの一人で主婦の山田鄕子さん(65)は「取り組みを知って、協力する住民も増えた。住民同士のつながりが広がるのがうれしい」と喜び、「例え年1回でも、カレンダーをつながるきっかけにしてほしい」と話している。

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