マーベルほか注目作が続くネクストスター!アカデミー賞ノミネートのフローレンス・ピューが語る『若草物語』

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』© HFPA

名作「若草物語」の著者ルイーザ・メイ・オルコットの恋を綴った『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が2020年3月27日(金)全国ロードショーとなる。マーチ家の四姉妹を演じるのは、人気若手女優シアーシャ・ローナン(次女・ジョー)、エマ・ワトソン(長女・メグ)、エリザ・スカレン(三女・ベス)、フローレンス・ピュー(四女・エイミー)。そして、脇を固めるのはローラ・ダーンとメリル・ストリープという豪華布陣。そんな豪華女優陣の中から、第92回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたフローレンス・ピューが『若草物語』の撮影現場での秘話や、2020年5月1日公開予定のMCU最新作『ブラック・ウィドウ』への意気込みをを語る。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』フローレンス・ピュー© HFPA

―本作のどこに惹かれましたか?

個人的には家族関係に深く共感しました。姉妹同士だけじゃなくて、家族みんなの関係ね。1人1人が家族全員に影響を与え合っているところ。姉妹がそれぞれ独自の個性を持っていて、異なる選択をするのも面白いわ。いまの時代、女性は強くて、どんなことがあっても前進しなきゃいけないと思われがちだけど、グレタ(・ガーウィグ監督)がこの作品で示したのは、そういうことをしたくなくても、それは間違いではないということ。エマ(・ワトソン)がシアーシャ(・ローナン)に「私の夢はあなたのとは違っているけど、だからといって重要じゃないということにはならない」と言うセリフがあるの。これはとても重要で、いまの時代に必要なメッセージだと思う。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

―あなたが演じたエイミーと共通点はありますか?

この役を演じて、図々しい態度を取るのが好きだってことに気づいたわ。いたずら好きだったり、クセのあるキャラクターに惹かれがちで、実際、これまでに私が演じたキャラクターのほとんどがそうなの。それはやっぱり、自分に合ってるからだと思う。エイミーっていうのは強情の塊で、そんな彼女を3ヶ月ものあいだ演じることができたのは幸せだった。もしかしたら、私もこういうタイプになっていたかもしれないと思いながら、演技を楽しんだわ。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

―数年前からネクストスターとして注目されていますが、そのことについてはどう思いますか?

良い理由でリストに載るのであれば、それは常に歓迎すべきことよね。みんなが注目してくれてるんだと意識すると、プレッシャーがかかってくる。これには良い面と悪い面があるわ。常に良い仕事をしていかなきゃいけないわけだから。ただ、(『トレイン・ミッション』『ファイティング・ファミリー』『ミッドサマー』など)これまでの出演作を見てわかるように、私はいろんなジャンルの作品が好きなの。好きな企画、好きな監督が私を突き動かしている。注目されることで変わったのは、作品選びの早さね。いろんな企画をテンポ良くこなして、たとえひどい仕事をしても、次の作品で許してもらえるようにしてるの(笑)。

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To all who have sisters.. Poke her, kiss her, play with her hair when she doesn’t want you to, squeeze her spots, cuddle her when she cries and above all.. try your very best to distract her when you’re taking serious photos. #littlewomen

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―メリル・ストリープとの共演はいかがでしたか?
期待していた通り、最高の経験でした。メリルとの撮影期間は1週間あって、エイミーは彼女が演じるマーチおばさんのペットみたいな存在だから、共演場面がたっぷりあったの。メリルが現場に初めてやってきたとき、セットに心地のよい温かな風が吹いたの。メリルが美しいドレスで現れると、現場の誰もがひきしまった顔になった。最高の仕事をしなきゃいけない、っていう風にね。私はというと、メリルのこれまでの出演作を全部見て、彼女のことを知り尽くしている気がしていたから、「メリル!」って叫んびながら、抱きついてしまったの(笑)。

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About last night. ✨ Director #GretaGerwig and the cast of #LittleWomenMovie at last night's screening and Q&A. ⁣ See our Twitter for more highlights → link in bio.

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―いきなりですか(笑)。
うん。幸い、彼女は優しく受け入れてくれたの。もっと若いとき、自分が憧れている人と共演することになったら、自分はどうなるんだろうと想像したことがあるの。緊張して演技ができなくなるのかな?それとも、偉大な役者さんと共演させてもらって、演技がものすごく簡単になるのかしら、って。で、実際には後者になった。メリルはすべてを自然に、簡単にしてくれたの。たとえ、こちらがミスをしても、それを補うだけじゃなくて、さらに良いものに変えてしまう。信じられないほど寛大で、自分のほっぺをつねりたくなるような1週間だったわ。

―最後にMCU最新作『ブラック・ウィドウ』(2020年)であなたが演じるキャラクターを教えてください。

スカーレット・ヨハンソン演じるナターシャ・ロマノフの妹のようなキャラクターを演じてるの。ケイト・ショートランド監督が素晴らしくて、実は以前から彼女の作品のファンだったの。たとば『ベルリン・シンドローム』(2017年)なんて、恋に落ちた2人がとんでもない展開に陥るわけだけど、ショートランド監督は観客を主人公2人に共感させつづけることに成功している。そんな彼女がこの映画でメガホンを取るときいて興奮したわ。実際、とてもユニークで、特別で、ときに痛々しいような作品ができた。まさにナターシャ・ロマノフのファンが待ち望んでいた映画で、みんなに見てもらうのが楽しみで仕方がないわ。

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It has been the most surreal 24 hours. Lovely to meet you MCU 🕷

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取材・文:小西未来

【特集:第92回アカデミー賞】

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