「必要とされる存在に」V・ファーレン長崎 スタメン候補のルーキー DF加藤聖

高卒ルーキーながら風格十分の加藤聖=宮崎市、シーガイア・イベントスクエア

 高卒ルーキーが開幕スタメンの座をつかむかもしれない。JFAアカデミー福島から加入したDF加藤聖。チーム最年少ながら、ピッチ内外の立ち居振る舞いは既に風格十分。対外試合でセットプレーのキッカーを任されるなど、大きな期待が寄せられている。
 キャンプ地の宮崎で2日に行われたJ1のC大阪とのトレーニングマッチ。主力級がずらりと並んだスタメンに、まだあどけなさの残る18歳の姿があった。「このメンバーの中に入れるとは思わなかった」。本人は謙遜するが、ひとたび試合となれば左サイドバックから攻撃参加し、J1選手にも臆せず立ち向かう積極性が光った。
 その前日のJ1広島戦では右CKを披露。大きく曲がる左足キックで、直接ゴールかという見せ場をつくった。大竹、秋野、玉田、加藤大らチーム内にキッカーは豊富だが「精度は一番」と絶賛する声も聞こえる。
 兵庫県で過ごした小学生時代は「県大会にも出られないレベル」。中学入学時にJFAアカデミー福島の選考試験に合格したのが転機になった。6年間、親元を離れてサッカー漬けの生活を送り「私生活の面でも高い意識を植え付けられた」。高校3年時に世代別日本代表に選出。スペインやコロンビアなど世界の強豪チームとも渡り合い、とんとん拍子でプロ入りが決まった。
 「これくらい厳しくいけばボールを奪えるかなと思ってもうまくいかない」。初めて体験するプロの世界の壁を感じつつも、充実した日々を過ごしている。「チームに必要とされる存在になりたい」。思いを真っすぐに語ることができるホープは、大きな可能性を秘めている。

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