ベッツがドジャース、前田がツインズへ 大型トレード合意

日本時間2月10日、2018年アメリカン・リーグMVPのムーキー・ベッツ、デービッド・プライス、前田健太らを含む大型トレードがようやく合意に達した。最終的な形はレッドソックス、ドジャース、ツインズによる三角トレードではなく、「レッドソックスとドジャース」、「ドジャースとツインズ」という独立した2つのトレードに分裂。前田は当初の予定通り、ドジャースからツインズへトレードされることになった。

今回の大型トレードは、一度は合意に達したことが報じられながらも、ツインズのプロスペクト右腕、ブルスダル・グラテロルの健康状態に関してレッドソックスが納得しなかったため、再交渉が行われていた。最終的にグラテロルはレッドソックスではなくドジャースへ移籍することになり、レッドソックスはグラテロルの代わりにドジャースからプロスペクト2人を追加で獲得。グラテロルの健康状態にクレームをつけたことが奏功した形となった。

レッドソックスとドジャースによるトレードでは、レッドソックスがベッツとプライスを放出し、若手外野手のアレックス・ベルドゥーゴ、プロスペクト遊撃手のジーター・ダウンズ、プロスペクト捕手のコナー・ウォンを獲得。レッドソックスはプライスの残り契約(3年9600万ドル)の半分ほどを負担する見込みである。ダウンズは元ヤンキースのデレク・ジーターにちなんで名付けられたことが知られているが、ヤンキースの宿敵であるレッドソックスに加入することになった。

一方、ドジャースとツインズによるトレードでは、ドジャースが前田とマイナーリーガー1人、金銭1000万ドルを放出し、プロスペクト右腕のグラテロル、プロスペクト外野手のルーク・レイリー、2020年ドラフト全体67位の指名権を獲得。前田は基本給300万ドルの契約があと4年残っているが、その大部分をドジャースが負担する。また、レイリーは2016年ドラフト7巡目でドジャースに指名されたあと、2018年7月にブライアン・ドージャーとのトレードでツインズへ放出されており、およそ1年半ぶりの古巣復帰となる。

基本給の大部分がドジャースによって負担されるとはいえ、ツインズは前田とマイナーリーガー1人を獲得するためにグラテロルとレイリーに加えて全体67位の指名権まで譲渡しており、前田を高く評価している様子がうかがえる。出場停止中のマイケル・ピネイダと故障離脱中のリッチ・ヒルが復帰するまでのあいだは、先発投手の頭数が不足気味であるため、計算できる先発投手として前田にかかる期待は大きい。

なお、今回のトレードに関係する選手の昨季の成績は以下の通りである。

◆レッドソックスからドジャースへ移籍

ムーキー・ベッツ外野手
150試合 打率.295 29本塁打 80打点 16盗塁 OPS.915

デービッド・プライス投手
22試合 7勝5敗0セーブ 防御率4.28 128奪三振 WHIP1.31

◆ドジャースからレッドソックスへ移籍

アレックス・ベルドゥーゴ外野手
106試合 打率.294 12本塁打 44打点 4盗塁 OPS.817

ジーター・ダウンズ遊撃手(A+級とAA級でプレイ)
119試合 打率.276 24本塁打 86打点 24盗塁 OPS.888

コナー・ウォン捕手(A+級とAA級でプレイ)
111試合 打率.281 24本塁打 82打点 11盗塁 OPS.878

◆ドジャースからツインズへ移籍

前田健太投手
37試合 10勝8敗3セーブ 防御率4.04 169奪三振 WHIP1.07

マイナーリーガー1人(現時点で詳細不明)

◆ツインズからドジャースへ移籍

ブルスダル・グラテロル投手
10試合 1勝1敗0セーブ 防御率4.66 10奪三振 WHIP1.24

ルーク・レイリー外野手(ルーキー級とAAA級でプレイ)
38試合 打率.310 8本塁打 23打点 4盗塁 OPS.878

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