時津交通渋滞 「抜け道」に車続々 ボランティアが安全確保

学校そばの通学路も抜け道として通る車が多い=時津町浜田郷

 時津町では国道の渋滞を避けようと、周辺の生活道路を抜けていく車が多い。歩道のない細い道もあり、通学する子どもたちや歩行者の安全確保が課題になっている。
 平日の午前7時すぎ、時津町浜田郷の生活道路。「行ってらっしゃい」。登校する町立時津東小の子どもたちに、ボランティアの「地域安全見守り隊」の黄色いジャンパーを着た小坂防人(さきと)さん(77)が声を掛けた。
 小坂さんは約20年、子どもたちを守ろうと道路に立っている。幅約3.5メートルの細い道路にも国道から次々に車が入ってくる。小坂さんは子どもを待たせたり、車を止めたりして安全を確保。過去にはドライバーから文句を言われたり、突っ込んできた車と接触したこともあった。
 見守り隊の昨年の調査によると、時津東小前の細い道では、午前7時から8時までに平均約100台が通行。主に長与方面から来る車だった。
 学校周辺の区域は車の最高速度を時速30キロに制限する「ゾーン30」になっている。時津署交通課は「速度を上げると危険な道。『気を付けよう』という意識を持つだけで、事故の可能性は低くなる」とする。
 危険な「抜け道通行」が多い現状を変えると期待されているのが、町が進める時津中央第2土地区画整理事業。区域内には206号と207号を結び、バイパスの役割を果たす複数の都市計画道路の計画が盛り込まれている。道路の一つ、冬切線は2021年度中に供用を開始する予定だ。
 町建設部は「生活道路に入り込む車を都市計画道路に誘導し、住環境の悪化を防ぎたい。歩道も整備するので安全を確保できる」としている。

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