進む再建に仮設「寂しい」 再出発のめど立たぬ人も

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小森仮設団地で会話を交わす住民たち=10日午後、西原村(高見伸)

 「再建が進んでいる証しだ」「正直、寂しさも感じる」-。熊本地震で仮設住宅などで仮住まいを続ける人が5千人を切り、4393人となった。新たなスタートを切る準備ができた被災者が増えた一方、いまだにめどが立たない人もいる。

 熊本県西原村の小森仮設団地に入居する平島睦子さん(59)は「退去者が増えるのは、住まいの再建が進んでいる証拠」と、自宅再建のめどが立った今、前向きに捉える。

 この団地に暮らしているのは現在、43世帯129人。ピークだった301世帯841人に比べると7分の1ほどに減っている。

 同村布田地区に再建予定の自宅には、80代の母と30代の息子と3人で暮らす予定。宅地の復旧工事中のため、あと1年ほどは仮設での生活が続く見通しだが、「不安はない。残る人たちで支え合って過ごしたい」。

 南阿蘇村の長陽運動公園仮設団地で暮らす小林榮子さん(77)は「入居者が減って寂しさはあるが、人とのつながりに助けられている」と振り返る。2016年7月、夫(75)と長男(54)の3人で団地に入居した。

 「村の集落支援員と話したり、みんなの家であるイベントに参加したりすることで、精神的に助けられた」と小林さん。「震災で大変な目にあったけど、人の思いやりも知ることができた」

 自宅があった同村のメルヘン村の整地が、県の事業で終わったのは昨年3月。昨夏に長男が自宅再建に着手し、新居は3月に完成する見通しだ。

 一方、益城町のテクノ仮設団地で1人暮らしの吉本雄二さん(69)は、同町の杉堂地区で進む宅地復旧工事が終わらず、自宅再建時期の見通しは今も立っていない。

 吉本さんは「仮設団地内の入居者が減って寂しさは感じますが、いまさら焦りはない」と淡々と語る。同町の仮設団地17カ所は6月から、木山仮設団地に集約される。吉本さんは、「仮設から仮設」への転居を余儀なくされる。(田上一平、立石真一、丁将広)