古田敦也氏、恩師・野村克也氏を追悼「頭を使えば勝てると。弱小チームが強くなった」

野球評論家の古田敦也氏【写真:宮脇広久】

「今でも野村さんの考えには影響を受けています。これを継承して次の世代に」

 元ヤクルト監督の古田敦也氏(野球評論家)が11日、ヤクルト2軍キャンプ地の宮崎・西都で報道陣の取材に対応。ヤクルト時代に監督だった野村克也さんの死去を惜しんだ。

 午前8時頃、伊丹空港でチェックインする際、野村氏の息子の克則氏からのLINEを見て悲報を知ったという。最後に恩師とじっくり話したのは、昨夏に神宮球場で行われたヤクルトOBによるドリームマッチの際だった。

「ID野球という言葉があるが、野球は頭を使えば勝てるんだ、ということを教えてくださった方。おかげで、弱小チームが1990年代に強くなった。もちろん今でも野村さんの考えには影響を受けていますし、正しいと思っている。これを継承して次の世代に伝えていくのが僕たちの仕事だと思う」と沈痛な表情で語った。

 野村さんの「ID野球」の申し子として、リーグ優勝4回、日本一3回の1990年代ヤクルト黄金期を支えた。「選手とは一線を引く方で、プライベートでご飯を食べたりしたことはあまりない。僕が監督になった時も『選手と距離を置け』と言われた。監督は時には非情な決断をしなければいけないものですから」、「理論ばかりのようにいわれるが、実際には感情的で、ベースは負けず嫌いのかたまりのような方。その上での理論だった」と惜しんだ。

 古田氏は1989年ドラフト2位でヤクルト入り。ヤクルト一筋の名捕手として通算2097安打をマーク。2度のMVP、9度のベストナイン、10度のゴールデングラブ賞など輝かしい実績を残した。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2