燕・奥川、野村克也さんに「お会いしてみたかった」 高校時代から著書で学ぶ

練習の合間にファンにサインするヤクルト・奥川恭伸【写真:宮脇広久】

埼玉県戸田市の寮に野村克也さんの著書を持ち込んでいる奥川

 ヤクルトのドラフト1位ルーキーで、右肘の軽い炎症のため2軍の宮崎・西都キャンプで調整中の奥川恭伸投手が11日、急逝した元ヤクルト監督の野村克也さんに思いを馳せた。

「お会いしたことはないです。1度はお会いしてみたかったです。縁あってヤクルトスワローズに入団したので。野球でも、それ以外でも、本を書かれたり、すごい人だと思います」と奥川。18歳の最速154キロ右腕が野村さんについて知らされたのは、主に、あの巨人やヤンキースで活躍した松井秀喜氏を育てた、母校の山下智茂総監督を通してだった。

「高校入学当初からミーティングで、いろいろ紹介していただきました。野村さんの『人間にとって最大の悪は、鈍感である』という言葉が印象に残っています。特に野球は状況判断のスポーツなので、本当にそうだと思います」

 プロ入りにあたって、山下総監督から贈られた野村さんの著書を埼玉県戸田市の寮に持ち込んでいるという。

 別メニュー調整の奥川だが、この日はキャッチボール、ウエートトレの他、ゲームノックに参加。ノックの順番を待つ間、シャドーピッチングを繰り返すなど、投げたくてウズウズしているのが伝わってきた。対面はかなわなかったが、野村さんが天国で大喜びするような、ヤクルトの黄金時代を呼び込める逸材だ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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