田中、一場、永井ら…野村克也さんに“最後の教え”受けた楽天戦士「出会いは財産」

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

山村氏は「とても寂しい」、一場氏は「野球会の財産を失ってしまいました」

 元監督の野村克也さんが虚血性心不全のため11日午前3時30分に死去した。楽天時代の教え子たちは、恩師の突然の訃報を受けて、続々とSNSで感謝の思いを明かしている。

 2004年オフに分配ドラフトで近鉄から新球団の楽天に移籍した山村宏樹氏は、野村さんが就任した06年から指導を受けた。06年に30試合(22先発)、07年に34試合に登板。08、09年は負傷に苦しんだものの、野村さんが指揮した4年間全てを楽天で過ごした。

 山村氏はツイッターで「突然の訃報に言葉を失いました。とても寂しい気持ちです。野村監督に出会いたくさんの事を教えていただきました。野村監督の教え(野村の考え、野村ノート)を今後の人生にも活かしていきたいと思います」と綴り、「野村監督ありがとうございました。ゆっくり休んで下さい。心よりご冥福をお祈りします」と誓った。

 楽天初年度のドラフト1位・一場靖弘氏は、野村楽天1年目の06年に開幕投手を任された。同年は7勝14敗と負け越したものの、30試合に先発している。09年3月にヤクルトにトレード移籍したが、「朝から突然の訃報で言葉を失いました。先日、シダックスのOB会に参加されていたニュースを見たばかりです…またも野球会の財産を失ってしまいました。僕にとって監督との出会いは財産です。心からご冥福をお祈り致します」とツイッターで惜別した。

永井氏が目覚めた野村さんの言葉「お前の持ち味はなんだ」

 また、06年の大学生・社会人ドラフト1巡目で楽天に入団した永井怜投手は、入団3年目の09年に岩隈久志投手、田中将大投手と「先発3本柱」を形成。13勝7敗、防御率3.42の好成績で野村さんの期待に応え、球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)に大きく貢献した。

 永井氏は「野村監督の突然の訃報。ピッチングとは、野球とは、人生とは何か。数え切れない程の沢山の事を教えて頂きました。自分を見失っていた時『お前の持ち味はなんだ。』その言葉で目覚め、コントロールを極めてプロで生き抜く覚悟を持つ事ができました。どんなに感謝してもしきれません」とツイート。今年から楽天の育成コーチに就任し「こうして指導者となった今、僕が野村監督にご指導いただいた沢山の事をこれからも伝えていこうと思います。本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします」と綴った。

 現在、BCリーグ武蔵でヘッドコーチを兼務する片山博視内野手は、05年の高校生ドラフト1巡目で楽天入り。野村さんが監督を務めていた08年に1軍デビューし、18試合に登板した。ツイッターでは「自分がプロ野球の世界に入れたのは野村監督のおかげでした。指導者として出来ているのも野村監督のおかげです。野村監督に指導していただいたことは一生忘れません。本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りします」と感謝の思いを記している。

 そして、2006年高校生ドラフト1巡目で入団し、1年目から先発ローテーションで起用されたヤンキースの田中将大投手も「突然の訃報に言葉が出ません。野村監督には、ピッチングとは何か、そして野球とは何かを一から教えていただきました。プロ入り1年目で野村監督と出会い、ご指導いただいたことは、僕の野球人生における最大の幸運のひとつです。どんなに感謝してもしきれません。心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントを発表。「マー君、神の子、不思議な子」の名言を生んだ恩師を悼んだ。

 野村さんが最後の指揮をとった楽天。その教えは、当時の選手たちの心に深く刻まれている。(Full-Count編集部)

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