ペンギン会議全国大会 飼育の苦労や喜び語る 元長崎水族館長 白井さん講演

「ペンギン王国」になるまでの苦労や喜びを語った白井さん=長崎市築町、メルカつきまち

 全国のペンギンファンや飼育員らが集まる「ペンギン会議全国大会」が11日、長崎市内で開かれた。旧長崎水族館の元館長、白井和夫さん(93)は講演で、繁殖と飼育を繰り返して個体数を増やし「ペンギン王国」になるまでの苦労や喜びを語った。
 全国大会は、よりよい環境でペンギンを飼育することなどを目的に毎年開き28回目。同市での開催は初めて。ペンギンが初めて長崎に来て昨年で60年になったのを記念して本県で開いた。同水族館を引き継ぐ形で開館した長崎ペンギン水族館は、世界最多の9種類を飼育している。
 白井さんは講演で、日本で初めてキングペンギンの繁殖を成功させたことや、キングペンギン「ぎん吉」が39年9カ月の世界最長飼育記録を持つことなどを紹介。こうした“偉業”の裏には、当時の飼育員がペンギンと向き合い、運動を取り入れるなどの工夫があったことなどを説明した。
 講演終了後の取材に白井さんは「チームワークで飼育してきた。(自分の経験が)今後の飼育の役に立てればうれしい」と話した。
 大会には関係者約280人が参加。全国の水族館の飼育員らの講演もあった。

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