伊勢崎銘仙がイギリスに 29日からロンドンの博物館でお披露目

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企画展で展示される併用絣の着物と川岸さん
V&Aからの招待状を手に喜ぶ金井さん(左)と杉原さん

 群馬県伊勢崎市の市民有志が復活させた伊勢崎銘仙の着物が、ロンドンのビクトリア&アルバート博物館(V&A)で29日に始まる企画展に展示される。着物は同館の日本コレクションの一つとして永久保存され、展示されるのは今回が初めて。26日開催のレセプションの招待状が届いた関係者は「夢のよう」と渡英を心待ちにしている。

◎五輪に合わせた企画展 現代の名工が着物に

 企画展は「Kimono:Kyoto to Catwalk」のタイトルで6月21日まで開催。東京五輪の開催年に合わせて企画され、日本各地の着物のほか、着物が描かれた浮世絵なども展示する。

 展示される着物は伊勢崎銘仙の中で最も高度な技法である併用絣(がすり)で作られた。生産が途絶えてから半世紀が過ぎ、再現不可能と言われていたが、「いせさき銘仙の会」代表世話人の杉原みち子さん(72)=伊勢崎市=と会員の金井珠代さん(64)=同=が復活プロジェクトを企画。14工程20人の職人を集め、2016年に3種類のデザインの反物を完成させた。

 このうち「赤いレンガ造り」と名付けられた柄がV&Aに永久保存されることになり、和裁技能士で「現代の名工」の川岸美枝子さん(58)=前橋市=が18年3月に着物に仕立てた。

◎併用絣復活した有志 「夢のよう」

 招待状は杉原さんと金井さん、川岸さんの3人に1通ずつ届いた。1通につき2人、合わせて6人が伊勢崎銘仙の着物を着て参加する予定だ。

 招待状の裏面には、着物にブーツ姿のモデルの写真が使われている。同会が12年から開いている銘仙ファッションショーの多彩な着こなしを思わせる。

 杉原さんは「これまでの着物のイメージと違い、次の世代が着てみたいと思えるスタイルだと思う。この招待状を見た時はうれしかった」と話す。

 V&Aはものづくりの制作過程も重視しており、復活プロジェクトで使用した図案や型紙、染色された糸、制作工程を撮影した映像なども永久収蔵品とした。

 金井さんは「併用絣を作れて満足していたが、こんなに大きなおまけが付いて夢のよう。20人の職人の名前も永久保存されたので、職人を代表するつもりで確かめたい」と話している。

 復活プロジェクトは上毛新聞社も特別協力した。