1980年代よりミュージカル女優としてのキャリアを重ね、その後クラシカル・クロスオーヴァーという独自のジャンルを切り拓いてきたアーティスト、サラ・ブライトマン。彼女の最新公演である、ドイツ・フュッセンのフェストシュピールハウス公演を完全収録した。
時の迷路に迷い込んだような、タイムレスな魅力に満ちた神秘的、神話的なステージだ。女神を思わせる衣装のサラと、それをとりまく大勢のダンサーたち。彼女が自らの手で切り拓いた、彼女の歌声と存在感でしか築き得ない世界がそこにあった。ACT1(第1部)は何と言っても、YOSHIKI(X JAPAN)とのコラボレーションが大きなみどころ。ACT2(第2部)は、2018年リリースのアルバム『HYMN』の楽曲をたっぷりと。壮大な演出と圧倒的な歌声が生み出すパフォーマンスは、映画館でなくても存分に楽しめた。
(ワードレコーズ・5000円+税)=玉木美企子