記憶、教訓つなぐ 写真やメッセージを4月に展示へ 熊本地震で被災した東海大生と南阿蘇村・黒川地区住民

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地震の記憶や教訓を伝える展示物の制作に向けて話し合う学生と住民ら=南阿蘇村
熊本地震発生時の状況について語り合う学生と住民ら

 熊本地震で熊本県南阿蘇村黒川地区の阿蘇キャンパスが被災した東海大農学部の学生と同地区住民が、地震の記憶や教訓を継承するための展示物の制作に取り組んでいる。地震発生から4年となる4月、同地区にある旧長陽西部小の教室に、写真やメッセージをまとめたパネルを展示する計画だ。

 黒川地区はかつて、約750人の学生がアパートや下宿で生活する「学生村」だった。ところが、地震で学生が犠牲となるなど甚大な被害が発生。講義の拠点は熊本市に移り、学生も転居した。地区にかつてのにぎわいを取り戻し、地震の記憶を後世に伝えるためにも、住民と学生との交流継続が課題となっている。

 展示物の制作は東海大の学生やOBでつくる「阿蘇の灯」が中心となり、昨年11月に素材集めを開始。これまでに計3回ワークショップなどを開き、住民と地震発生時の状況を語り合い、地区内を散策して歴史を学んだ。

 1日は、旧長陽西部小に学生と住民ら14人が集まった。住民が提供した地震当時の写真の場所を地図で確認したり、地震からの教訓を聞いたりした。今後、写真パネルの制作を進め、4月のプレオープンを目指す。

 農学部2年の吉田康平さん(20)は「地震は経験していないが、貴重な体験や教訓を聞くことができた。学生が転居して地区のにぎわいが失われた面もあるので、展示室が人を呼び寄せる場所になれば」と話していた。(田上一平)