社会と性暴力の関係考える 長崎、佐世保で行事、集い

「性暴力をなくすため、社会が向き合う必要がある」と語る大藪さん=長崎市、県勤労福祉会館

 県教組など9団体でつくる「県靖国法案阻止共闘会議」は長崎市桜町の県勤労福祉会館で市民の集いを開催。自身も性被害の経験があるフォトジャーナリスト大藪順子さん(48)=横浜市在住=が日本社会と性暴力の関係について講演し、約130人が聞き入った。
 性暴力根絶に向け、被害者の取材を続けている大藪さん。見知らぬ人だけでなく家族ら身近な大人から性暴力を受けて苦しむ被害者の思いとともに、男性の被害者もいることなどを紹介し「無関心でいることは、加害者を野放しにする社会に加担すること」と述べた。
 県教組県北総支部と佐世保地区労は、佐世保市稲荷町の労働福祉センターで平和学習会を開催。漫画家で長崎大非常勤講師の西岡由香さん(54)=長崎市在住=が「市民のパワーが社会を変える」と題して話した。約70人の来場者を前に西岡さんは「護憲や改憲よりも今大切なのは、まずは憲法を知る『知憲』という考え方」と指摘。103条ある日本国憲法で好きな条文を見つけるなどして理解を深めることを勧め、「憲法は弱い立場の人を守るものだと、あらためて知ってほしい」と語った。

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