警視庁も厳しく指導を
友人宅で猫を撮影した帰り道に露出犯人と間違えられて逮捕されてしまったお気の毒な大学生がいらっしゃいます。
警視庁保安課の発表によれば、警視庁東村山署員が公然わいせつ事件で、20代の大学2年の男子学生を8日に誤認逮捕したとのことです。
同日午前0時20分ごろ、東京都東村山市秋津町のマンション敷地内で、帰宅してきたアルバイトの20代女性が、下半身を見知らぬ男性に見せられるという公然わいせつ事件がありました。駆け付けた警官が現場から約100メートル離れた場所で、逃走犯に外見が似ているとされる男子学生を発見しました。
友人と一緒にいた男子学生は否認したにもかかわらず、被害女性の証言を盲信した警官が0時45分頃に現行犯逮捕しました。
警察署での取り調べで、男子学生は事件直前に、友人宅で猫の写真を撮影していたことが判明。被害者の女性も視力が悪いことを理由に犯人と断定できずに証言を撤回しました。誤認逮捕の可能性が高いと判断した東村山署は、約1時間20分後に男子学生を釈放しました。
釈放された男性と思われる人物がSNSに取り調べ室の画像を投稿したのも物議を醸していました。
東村山警察署に電凸して、状況を確認してみました。
「もしもーし!刑務課の洞口と申します」
――逮捕される前に説明したのに強引に逮捕って東村山署って怖いなぁと怯えている市民の方は多いのではないでしょうか
「申し訳ありません」
――どういうことで逮捕になったのでしょうか
「どういうことで?」
――その場に警察官は何人いたのでしょうか
「その場にですか? 申し訳ございません。捜査に関することはですね。たいへん申し訳ないんですけど、ちょっとお答えできないんですよぉ。申し訳ないんですけど」
――では、取調室で被疑者とされた大学生が撮影したと思われる画像がSNSに出回っているのはご存じですか?
「えっ、すいません。もう一度よろしいですか。(記者の言葉を一言一言復唱して確認しながら慌てた様子)えっ、そうなんですか。それはちょっと私の方は把握していなくて」
――そもそも任意で取り調べを受けるときも取調室は撮影禁止じゃないですか
「そうですね。基本的にそうですね」
――喧嘩に巻き込まれた知人は、23区内の取調室で撮影を禁止されていましたが東村山署は甘いのでしょうか
「そうですね。それがちょっと本物ですと。あのぉ 確かに あのぉ。そうですね、基本的には取調室に入る前の段階で所持品検査等は行って、携帯電話等は使わないようにということで一応、あのぉ取り上げるでないですけども、確保するものですから。そのデータというのですか。その写真が本物なのかどうかということをみないとまだぁ」
――では、ニセモノということですね?
「いえいえ 全然」
――撮影禁止は法律で決められているわけではなくて、警察署の管理権でなさっているわけですよね?
「はい」
――そうすると東村山署は管理権を行使していないということなりますから杜撰だということにならないでしょうか
「はい」
――取調室で書きかけの調書が放置されたまま、撮影されているということは被害者の方の個人情報も流出するリスクがあり、危機管理意識がゼロということになりませんか?
「(沈黙32秒)はい、そうですね。それが本当であれば」
――調べもしないし、信用もしないのが基本的なスタンスでいらっしゃるから誤認逮捕もおきるのでしょうか
「そういうわけではないんですけれども。普段であれば必ず携帯電話などの使用は控えていただいているので」
――ちょっと待ってください。逮捕者に「控えて頂く」で、携帯電話禁止にはしていらっしゃらないんですね?
「いやぁ〜そうです。そうです」
――そうですとはどういう意味ですか? 禁止ですか? 控えるというのは任意ではありませんか?
「ああ 申し訳ございません。おっしゃる通りです」
――逮捕した意味がないですよね
「そうですね、もし撮られているとしたら、まったく意味がないと思います」
――では釈放になった場合に、男子学生が撮ったとしても、その場に書きかけの調書を置いて、パソコンを置いて、見張りの人間もいなくて席を外して撮られるというのは管理体制杜撰になりませんか?
「そうですね。おっしゃる通り」
――取り調べは何人くらいでなさいますか。三人くらいでしょうか
「そうですね。基本的には取調室に最低でも一人は残るようにして、そうやって撮られないようにしたりとかいう体制はとっているはずです」
――その一人がいないからそういう写真が撮られたんでしょ?
「そうですね」
――そういうことに関して罰則はあるのでしょうか。
「まぁ 今回誤認逮捕した本人に関しては、何かしらの処分を受けるとは思うんです」
――何かしら、とはどのような処分でしょうか
「今のところはまだ、それ、ちょっと内部情報になってきてしまうので、実際どういう処分がされたのかというのは、私共の方にもまだ入ってきていない状況でして」
――本人とおっしゃいましたが、逮捕した警察官は何人ですか
「そ、それも申し訳ございません。捜査に関することなのでお応えしかねるんですよね」
――無実の男子学生が誤認逮捕されて、人権侵害されているのに、どこまでならお話いただけるのでしょうか?
「ま、今回報道されている内容に関してしか、お答えできないんですよ」
――警察の都合悪いところは何でも秘密にするということでしょうか
「いえいえ そういうわけじゃないです」
――警察内部に甘くありませんか。誤認逮捕されて、1時間20分後に釈放されたというのは結局被害者の話だけを鵜呑みにして、被疑者とされた人の言い分を聞かなかったという短絡的な逮捕でしょうか
「そうですね。おっしゃる通りです」
――逮捕するときには、確認しなくて良いのでしょうか?
「確認は行うんですけれども」
――誤認逮捕には、どのような罰則があるのでしょうか?
「そうですね。ものによってですね。免職、減給、戒告です」
――いえ一般論は結構です。誤認逮捕の場合についてお応えいただけますか
「それは個々の事案を鑑みて、あくまで、もし処分が出る場合はそうなりますので、どれが普通とかいうのは言えないんですけども、そういうのはないんですけれども」
――取調室で撮影されたということは逮捕した後も、別の署員対応も悪かったということになりませんか。誤認逮捕で被疑者にされたと思われる人は、被害者を恨んでいらっしゃるようです。この女許せないとSNSで発信しています。調書を放置して被害者の方の個人情報を誤認逮捕された人間が入手していた場合、流出したり、お礼参りみたいな感じで嫌がらせされたり二次的な事件を誘発するリスクはお考えになりませんか?
「そうですね。はい」
――逗子市でストーカーに被害者の個人情報を伝えて、殺人事件を招いたという事件があったのはご存知ですか?
「はい」
――では、私の話を疑ってあしらわずに確認されてはいかがでしょうか
「えっ、それに関してとりあわないということはないです。それが真実なのであれば」
――真実かご確認ください。メールアドレスを教えていただけますか
「いや。いやぁ 申し訳ございません。私の個人的なメールアドレスはお伝えしかねるんですが」
――では、確認もなさらずに、この電話が終わればこの件は放置でしょうか?
「いえいえ、そんなことはないです」
――では、私が東村山署までうかがってお見せしましょうか
「いえいえ、ご足労頂かなくて結構です。ど、どういうふうに検索したら出てくるんですか」
――自分のところの不祥事に関して、インターネットで検索なさるという発想すらなかったのでしょうか
「今回のことに関しては反省しております」
――申し訳ありません。反省会ではなく、取材でお話をうかがっています
「そうですね。今回の事案に関しては私共の不徳とするところでありますので」
――貴方個人は悪くないし、定型文のような謝罪文を言われても取材になりません。どういう風な改善策があるのでしょうか?
「やはりですね。周知を徹底するということですね」
――誤認逮捕防止の特別研修等なさるのでしょうか
「こういう事案があったということを署員全員に周知徹底するところからですね。始めたいなと」
――周知だけで予防できるのでしょうか
「申し訳ないです。あ〜あ!(沈黙25秒)」
――事案の報告書を配るだけでは、紙の無駄になりませんか
「まぁそうですね。指示として伝えると。うーん、うーん」
――対策は?
「はい、はい、はい」
――例えば逃走しているクルマを自転車の警官が 、「こら!待て」と追いかけていくシーンを見たことがありますが、漫画じゃないですか?
「はい、はい、はい。えっ、漫画?」
――自転車でクルマを追いかけて、こら待て! と言って止まりますか? 追いつきますか?
「あー」
――「違反車両は追いかけろ!」と形式的に教育されて、常識的に不可能なことを根性論でなさっている。市民から見ると滑稽でしかない。そういうことの積み重ねになっている部分はありませんか
「うーん」
――女性は被害者だから絶対という色眼鏡で見ていたのではありませんか? 被疑者にされた男性の人権への配慮はありましたか?
「(沈黙 38秒)」
――黙秘権行使ですか? 取り調べではありませんが
「おっしゃる通りだと」
――言われたことをそのまましかできない。応用効くような教育されていないということでしょうか?
「私ども 、もう少し頑張らないといけないですね」
――何を頑張るのでしょうか。精神論ではなく具体的におっしゃってください
「このような事態を二度と起こさないように」
――そのためにはどうなさるのでしょうか?
「なので、まずは周知徹底して」
――何枚プリントをお配りになるのでしょうか?
「口頭でも伝えます」
――「被る」も読めない方も先日他所の警察署にいらっしゃいましたが。プリントで伝わりますか?
「それでもそういうところからですね。始めていかないとですね。やっぱりなくならないので」
――事案の報告の後には、どのような対策をなさいますか?
「沈黙45秒」
形式的な回答で誤魔化して、追求されたら、黙る。このような人が対応される警察署。ますます不安になります。抜本的な改革が警察に必要でしょう。(文◎九頭龍腐流腐流)