複数のチームがカブス・ブライアントの動向をチェック

クリス・ブライアント(カブス)は今週中にアリゾナ州メサのキャンプ施設に到着する予定となっている。今のところ、ブライアントは3月26日(現地時間)のブリュワーズとの開幕戦にカブスの一員として出場することが確実視されているが、カブスはブライアントのトレード放出に向けた動きを継続しているようだ。関係者によると、レンジャーズ、ロッキーズ、ナショナルズ、フィリーズなどがカブスと連絡を取り、ブライアントの動向をチェックしているという。

MLB公式サイトのジョン・ポール・モロシは、ブライアントのトレードについて交渉が進展している様子がないことを報じている。ただし、ブライアントが意図的にメジャーデビューを遅らされた2015年シーズンの扱いをめぐって仲裁機関による裁定を求めたように、カブスとブライアントの関係は決して良好とは言えない。ブライアントは2021年シーズン終了後にフリーエージェントとなるが、長期契約でカブスに留まる可能性は低いだろう。よって、カブスがブライアントの放出に動く可能性は十分にあり、開幕までにトレードが成立しなくとも、今季前半戦で下位に低迷したりすれば、放出に向けての動きは加速しそうだ。

セオ・エプスタイン野球部門社長は、キャンプインを目前に控えていることを踏まえ、「チームが集まって、試合に勝つことに集中すべき時期が来た」としてブライアントの放出に積極的に動く可能性を否定。しかし、フリーエージェントになる時期が近付いてきて、なおかつ所属球団と長期契約を結んでいない選手についてトレードの噂が広まることについては、「それもビジネスの一部だ」と理解を示している。

カブスは年俸総額がぜいたく税の対象ライン前後まで膨れ上がっているため、今オフは目立った補強を行うことができていない。しかし、年俸総額削減を最優先課題としてムーキー・ベッツとデービッド・プライスの放出に動いたレッドソックスのようなスタンスでブライアントの放出に動くことはないと見られている。あくまでも今季のポストシーズン進出争いに加わることが最優先。ただし、前半戦の戦いぶりによって、状況は大きく変わるかもしれない。

© MLB Advanced Media, LP.