「選択肢は一つしかない」 遺族ら意見陳述、極刑求める声 やまゆり園公判から

 県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で2016年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(30)の裁判員裁判の第14回公判が12日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。遺族本人や代理人弁護士らが意見陳述し、死刑判決を求める声も上がった。

 同園のすばるホームで殺害された男性=当時(43)=の母と姉はそれぞれ、「息子を返してほしい。息子にもう一度会いたい」「被告は絶望しながら一生を過ごしてほしい。終身刑がない日本において、選択肢は一つしかない」と代理人弁護士を通じて訴えた。

 犠牲となった女性=同(60)=の弟は自ら証言台に立ち、「植松聖さん、そろそろ人のことはいいから、自分の人生、そして起こした事件に真剣に向き合うときだ」と極刑を求めた。涙をぬぐう裁判員もいた。

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