2代目もヒット確実! 走りも使い勝手も文句なしのデキ|スズキ 新型ハスラー試乗

スズキ 新型ハスラー

軽のレベルを超えたボディ剛性

スズキ 新型ハスラー

新型ハスラーは、乗り心地や走行性能にかかわるボディそのものも一段としっかりしている。ボディ剛性を高めているだけでなく、スズキ軽初の構造接着剤をドアやラゲッジ部分の開口部に使うことで、ボディ全体の剛性を20~30%向上させている。

新開発のNAとターボを用意! CVTは全車新開発

スズキ 新型ハスラー
スズキ 新型ハスラー

エンジンはNA(ノンターボ)とターボを用意し、どちらもモーターアシスト機能を持つマイルドハイブリッド仕様だ。特にNAモデルは、エンジンとCVTともに完全新設計され、燃費と加速性能を高い次元で両立。ターボモデルも新設計のCVTと組み合わせることで、さらなるパフォーマンスを発揮してくれる。

ジムニー譲りの走破性? 4WD性能はガチ

スズキ 新型ハスラー 4WD性能

ハスラーはワゴン×SUVというキャラクターだけに、アウトドアや悪路、雪道にも強いクロスオーバーモデル。初代ハスラーは、雪国のユーザーからの要望に応えて登場した経緯があるほどで、見た目のカジュアルさとは裏腹に、走破性にもこだわりぬいたクルマなのである。

アウトドアにぴったりのお助け機能も

スズキ 新型ハスラー

新型では、悪路走破性の目安になるアプローチアングル、デパーチャーアングルともに向上させ、2WD、4WDともに最低地上高をゆとりある180mmに設定。

スズキ 新型ハスラー

さらに先代にもあった、スリップを防止するグリップコントロール、急な下り坂を安心して走れるようになるヒルディセントコントロールに加え、新たにスノーモードを追加。雪国のユーザーだけでなく、冬、スキー、スノーボードを楽しむ都会のユーザーにとっても大きなメリットになることは間違いない。

ターボいらず? NAでもパワフル

スズキ 新型ハスラー

そんな新型ハスラーは、走ってもゴキゲンである。標準のNAエンジンモデルは、アクセルペダルの踏み始めの一瞬だけ、ゴロゴロとした3気筒エンジンらしい振動と音を伝えてくるものの、そこからは実にスムースかつトルキーに速度を上げ、街乗りメインなら過不足ない動力性能を、意外なほど静かに発揮してくれる。

しっかりボディでバツグンの安定感

スズキ 新型ハスラー ボディ構造

パワーステアリングは軽すぎず、重すぎない絶妙なタッチで、切ると自然かつ穏やかに向きを変えてくれるから安心感もばっちりだ。

先代では倒れ込むような挙動を示した、カーブに勢いよく飛び込んでしまったシーンでも、新型はボディの傾き最小限。安心感、安定感の進化はめざましい。

高級車並みの乗り心地と言ってもオーバーではない

スズキ 新型ハスラー

しかし、新型ハスラー最大のハイライトは、乗り心地にある。前記したボディ剛性の高さと、乗り心地に特化した専用開発のタイヤによって、下手な上級車をしのぐ、フラットで上質、快適無比な乗り心地を、全席で味わえるようになった。

ちょっと専門的な話をすれば、先代の2WDモデルの後席に座り、荒れた路面や段差に差しかかると、強めの突き上げ、ショックが伝わってきたのだが、新型はリヤサスを乗り心地に有利なものに変更したため、結果的に、クロスオーバーモデルにして軽自動車最上級どころではない快適な乗り心地を実現してしまったのである。

うそだと思ったら、荒れた路面を走り比べてみるといい。その差は歴然のはずである。

ターボはガチで普通車並みの走りに

スズキ 新型ハスラー

一方、ハスラーの真打ちと言えそうな、ターボ×4WDモデルの走行性能は、まさに軽自動車の概念を一変させる、下克上的なものと言っていい。動力性能はより排気量の大きいNAエンジン(1・3L級)を思わせるもので、出足から中間加速まで余裕の余裕。フル乗車のロングドライブも、ストレスフリーでこなしてくれそうだ。

しかも、NAエンジン×2WDに対する重量増がいい方向に作用し、乗り心地はさらにしっとり、しなやかで、極上の快適感を、前後席ともにもたらしてくれるのだ。

待ちに待ったACC搭載! 装備も文句なし

スズキ 新型ハスラー ボディカラー:バーミリオンオレンジ ガンメタ2トーン

さらにターボモデルには、下手にブレーキを踏むよりスピードコントロールがしやすくなり、ドライブを楽しめるパドルシフトが備わるほか、スズキ軽初のACC(渋滞追従型アダプティブクルーズコントロール)も装備。ますます充実した先進運転支援機能=スズキ・セーフティサポートとともに、高速走行を一段とストレスフリー、安心安全なものにしてくれるのだから、カンペキである。

どれをとってもカンペキ! 売れるコト間違いなし

それにしても、新型ハスラーは、デザイン、機能、居住性、ラゲッジの使い勝手、先進運転支援機能、そして走行性能の大きな進化によって、初代以上のヒット作になることは、間違いないだろう。現時点で、軽自動車最高レベルの商品力の持ち主であると、断言したい。雪国のユーザーはもちろん、アウトドア派、スノースポーツ派、マリンスポーツ派には特にお薦めである。

【筆者:青山 尚暉/撮影:森山 良雄】

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