手取り21万円!一人暮らしで車は買える?控除額と理想的な支出!

手取り21万円での一人暮らしは、車も購入できる生活水準といえます。ただ、食費や交際費、自由に使えるお金などのルールを決めないと、車の購入だけでなく毎月の貯金も難しくなります。今回の記事では、手取り21万円の内訳と理想的な家賃・生活費、3つの貯金術をご紹介します。

手取り21万円の月収内訳

手取り21万円の方の月収は、約25万~26万円です。まずは、月収から差し引かれる厚生年金・健康保険・雇用保険の3つの社会保険と、所得税・住民税の2つの税金を確認していきましょう。

社会保険料、税金の区分	支払い金額(およその金額)
厚生年金	23,790円
健康保険	12,870円
雇用保険	780円
所得税	5,000円
住民税	10,750円
合計	53,190円

※あくまで参考の金額となりますので、参考程度にご覧になってください。

厚生年金

厚生年金は、国民年金の上乗せ分のことで、企業に勤めている方が支払う保険です。日本年金機構によると、月収に対する厚生年金保険料は下記のようになります。月収を26万円とすると、厚生年金保険料は23,790円となります。

報酬月額	全額	折半額
230,000~250,000円	43,920円	21,960円
250,000~270,000円	47,580円	23,790円

(平成29年9⽉分(10⽉納付分)からの厚⽣年⾦保険料額表|日本年金機構 より筆者作成)

ちなみに、フリーターや学生、自営業者は国民年金(基礎年金)保険料を支払うことになっており、2020年3月までの国民年金保険料は、月額16,410円です。

参考

1. 国民年金の保険料はいくらですか。|日本年金機構

健康保険

健康保険は、病院で治療や診察を受けたときに、負担額が3割になる保険です。東京都の健康保険を例にすると、月収26万円の方の厚生年金保険料は、12,870円となります(健康保険は、住んでいる自治体によって金額が異なります)。

報酬月額	全額	折半額
230,000~250,000円	23,760円	11,880円
250,000~270,000円	25,740円	12,870円

(平成31年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 |東京都|日本健康保険協会 より筆者作成)

40~64歳までの方には介護保険料が加わるので、月々の支払額は上記の表よりも高くなります。ちなみに、フリーターや自営業者の場合、国民健康保険は扶養者という考え方がないため、扶養者も国民健康保険を払う必要があります。そのため、家族が多ければ多いほど、保険料は高くなります。

雇用保険

雇用保険は、失業中や育児休業中など仕事をしていない期間に失業保険や育児休暇給付金をもらえる保険です。一般の事業内容であれば、労働者の負担額は0.003%です。月収を26万円とすると、雇用保険料は780円となります。

参考

平成31年度の雇用保険料率について|厚生労働省

所得税

所得税は、個人の所得にかかる税金で、年間の所得額によって税率が変わってきます。月収26万円でボーナスなしと想定すると、年収は312万円です。ここから、基礎控除・給与所得控除・社会保険料控除を差し引くと、課税所得税金額は約119万円になります。これに税率5%をかけると、約59,500円が年間の所得税です。月額にすると約5,000円です。

課税される所得金額	税率	控除額
195万円以下	5%	0円
195万円を超え330万円以下	10%	97,500円
330万円を超え695万円以下	20%	427,500円
695万円を超え900万円以下	23%	636,000円
900万円を超え1,800万円以下	33%	1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下	40%	2,796,000円
4,000万円超	45%	4,796,000円

(No.2260 所得税の税率|国税庁 より筆者作成)

住民税

住民税は、所得金額によって異なる所得割額と、同じ自治体にする納税者全員が同額の均等割額の2つから構成されています。

東京都を例にすると、均等割額は年額5,000円となります(都道府県や市区町村によって異なる場合があります)。所得割額の目安は、課税される所得のおよそ10%です。

月収を25万円とすると、給与所得控除・社会保険料控除・医療費控除・基礎控除などが差し引かれて、課税対象は約124万円となります。そこに、都民税の所得割と市民税の所得割をかけ、均等割額を足すと、129,000円が支払額となります。月額にすると、約10,750円となります。

手取り21万円の理想的な家賃と生活費

手取り21万円の理想的な家賃は7万円程度です。また、毎月貯金に3万円を回したとしても、生活費として食費3万5千円、交際費・娯楽費3万円を使うことができます。

家賃は7万円が目安

生活をする上での家賃額は、手取り額の3分の1が理想的と言われています。手取りが21万円の場合は、家賃は7万円が適切な金額です。

この家賃には、管理費など居住するのに必要な費用も含めて考えることをおすすめします。そうすることで、年間を通して精神的にゆとりを持って生活することができます。

生活費を抑えることで貯蓄可能

総務省の統計データを参考に、手取り21万円の場合の理想的な生活費を算出すると下記のようになります。適切な家賃と食費、日用品費を節約することで、十分貯蓄できます。

項目	金額
家賃	70,000円
水道・光熱費	12,000円
通信費・交通費	13,000円
食費	35,000円
日用品費	20,000円
その他(交際費、娯楽費など)	30,000円
貯金	30,000円
合計	210,000円

参考

家計調査報告家計収支編|2018年(平成30年)平均結果の概要|総務省統計局,P15

手取り21万円の貯金術

手取り21万円は、浪費しなければ貯金することは十分可能です。ここでは、固定費・食費・自由に使うお金の3つの視点から、貯金術をご紹介します。取り入れられそうなところから、無理なく試してみてください!

固定費を見直す

貯金への一番の近道は、固定費を節約することです。ただ時間と労力がかかるため、なかなか踏み出しづらいと感じることでしょう。そんな場合は、毎月どんな固定費を支払っているかを確認することから始めることをおすすめします。

毎月の固定費をリストアップしてみると、かなりの金額が固定費だということが分かります。例えば、固定費に考えられるものとして下記のものがあります。

  • 家賃
  • 光熱費
  • 通信費(スマートフォン費用、自宅のインターネット費)
  • 定額サービス(AmazonMusicアンリミテッド、ネットフリックスなど)
  • 習い事代
  • 保険料

家賃を見直すことができれば、毎月1万円前後の節約にもつながります。ただ、引っ越しにはリスクもあるため、定額サービスや通信費、光熱費などの身近なものから見直しすることをおすすめします。

食費を節約する

食費は毎日のものです。手取りが21万円あり、一人暮らしであれば、毎日コンビニや外食をしていても生活することはできるでしょう。しかし、ちょっと意識を変えるだけで、場合によっては毎月1万円以上の節約も可能です。

【3食外食の場合】

区分	食事内容	金額
朝食	コンビニのおにぎりと総菜パン、ペットボトルのお茶	400円
昼食	定食屋、お店やコンビニのお弁当など	500~1,000円
夕食	コンビニのお弁当、サラダ、デザート	500~1,000円
合計		42,000~72,000円(月)

3食を外食にした場合に比べて、飲み物を水筒で持参して、朝食をごはんに味噌汁やパン、昼食をお弁当、夕食を自炊にすることで、食費は2万円前後にまで抑えることができます。もちろん、自炊は時間がかかりますが、週末にまとめて作り置きすることで、3食すべて自炊ができなくても、朝晩は自炊できるかもしれません。

なお、総務省統計局の調査によると、単身世帯の月の食費平均は44,067円です。4万円を指標として、食費を節約する工夫をしてみてはいかがでしょうか。

参考

家計調査報告家計収支編|2018年(平成30年)平均結果の概要|総務省統計局,P15

自由に使えるお金にはルールを決める

節約ばかりだと、好きなものも買えず、行きたいところにも行けず、不満が大きくなってしまいます。不満が大きくなると、どこかで必ず反動が起こるものでしょう。だからこそ、節約をするときには、自由に使えるお金を確保することが大切です。

ただし、何のルールもなくお金を自由に使ってしまうと、せっかくコツコツと積み上げてきた貯蓄が一瞬でなくなってしまいます。ですから、自由に使えるお金にはルールを決めておくことが大切です。例えば、「趣味には毎月1万円を使えるようにする」「旅行は2ヶ月に1回する」というようにします。ルールを決めることで、予算内で計画を立てるようになるので、浪費を避けることができます。

手取り21万円で車を購入できるか?

手取り21万円で車を購入することは可能です。ただ、車を購入するための予算は、年収の半分以下にするべきと言われており、これには駐車場代金や車検、任意保険料、ガソリン代などの維持費も含めて考える必要があります。

年収が300万円と考えると、維持費だけでも年間30万円以上はすると考えられます。そうなると、100万~120万円の価格の軽自動車の新車か、普通車の中古車がおすすめです。軽自動車であれば、税金も安くなるので、購入後の生活もそこまで厳しくなることはないでしょう。

まとめ

手取り21万円の一人暮らしは、適切な家賃や食費を意識することができれば、毎月3万円以上の貯蓄もできる生活水準です。また、ローンを組めば車を購入し、維持することもできます。ただ、車を購入する場合は家賃や生活費を抑える必要がありますので、コツコツとできるところから節約するのがおすすめです。

参考

平成29年9⽉分(10⽉納付分)からの厚⽣年⾦保険料額表|日本年金機構

平成31年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 |東京都|日本健康保険協会

所得税のしくみ|国税庁

個人住民税|東京都主税局

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