2020年シーズンに向けGTワールドチャレンジ・アジアへのエントリーが続々発表

 2017年からアジアで年間6ラウンドのレースが開催され、多くのエントラントを集めているGTワールドチャレンジ・アジア。2020年から冠スポンサーが変わり『GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS』として開催されるが、アジア各国からエントリーが続々と発表されている。

 GT3カーとGT4カーで争われるGTワールドチャレンジ・アジアには、日本のARNレーシングが先陣を切って2020年の参戦を表明。Xワークスや、横溝直輝を起用するグリッド・モータースポーツの参戦発表などに続き、続々とエントリーが集まっている。下記に参戦チームを紹介しよう。

■GT3

・アール・バンバー・モータースポーツ(EBM)
 ポルシェワークスドライバーのアール・バンバーの名を冠するEBMが、GTワールドチャレンジ・アジアに初めてシリーズ参戦することになった。マシンは当然ポルシェ911 GT3 Rで、1台はインドネシア人ドライバーのセティアワン・サントソとブレントン・グローブがコンビを組む。

 もう1台は、チーム代表でもあるウィル・バンバーと、タイのジェントルマンドライバーであるピティ・ビョロムパクティがコンビを組み、『TP12・バイ・EBM』というチーム名となる。インターコンチネンタルGTチャレンジにも参戦するポルシェのワークス格のチームだけに、GTワールドチャレンジ・アジアでもトップを争いそうだ。

GTワールドチャレンジ・アジアへの参戦発表を行ったEBM

・JMWモータースポーツ
 スポーツカー耐久レースではおなじみのJMWモータースポーツが、ベントレー・コンチネンタルGT3でGTワールドチャレンジ・アジアに参戦することになった。プロ-アマへの参戦となり、アンドリュー・ハルヤントとアンディ・メイリックがコンビを組む。

2020年のGTワールドチャレンジ・アジアに参戦するJMWモータースポーツのベントレー・コンチネンタルGT3

・ビンツェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)
 これまでもGTワールドチャレンジ・アジアに参戦してきたVSRは、今季もランボルギーニ・ウラカンGT3を投入するが、デンマーク人ドライバーのフレデリック・シャンドルホフのパートナーに、スーパートロフェオで速さをみせたマレーシア人のアフィック・ヤジッドが起用された。

 VSRはGTワールドチャレンジ・アジアの活動に加えイタリアGTにもウラカンGT3を投入するが、こちらではトーマス・トゥユラと根本悠生がコンビを組む。

2019年のGTワールドチャレンジ・アジア鈴鹿戦を戦うVSRのランボルギーニ・ウラカンGT3

・ズン・モータースポーツ・クルー
 2019年の上海戦にスポット参戦したほか、FIA GTワールドカップにも参戦した中国・ズーハイのズン・モータースポーツ・クルーが、2台の2020年モデルのメルセデスAMG GT3で参戦する。ドライバーはアデリー・フォン、アレックス・フォンタナ、アンドリュー・キム、マ・カ・チュンの4名だ。

 チームは発表に際し、Facebookページで全土でコロナウイルスが流行する中国へ、勇気づけるメッセージを掲載している。

2019年のGTワールドチャレンジ・アジア上海戦に参戦したズン・モータースポーツ・クルーのメルセデス

・アブソリュート・レーシング
 これまでアブソリュート・レーシングが走らせたアウディで戦ってきた中国人ドライバーのスン・ジンズーとフランキー・チェン・クンフーがポルシェ911 GT3 Rにスイッチする。チームはもう1台のポルシェをユアン・ボーとイェ・ホンリーがドライブする。

アブソリュート・レーシングがGTワールドチャレンジ・アジアで走らせるポルシェ911 GT3 R

・AMACモータースポーツ
 ランボルギーニ・ウラカンGT3で参戦するオーストラリアのAMACモータースポーツが、アンドリュー・マクファーソン/ベン・ポーターのコンビで参戦する。クラスはアマクラスだ。

オーストラリアのAMAKモータースポーツのランボルギーニ・ウラカンGT3

・レガシー・レーシング
 マレーシアでさまざまなモータースポーツ活動を行っていたレガシー・レーシングが、アマクラスにメルセデスAMG GT3で参戦するが、そのドライバーラインアップは非常にユニークだ。ひとりは、FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップにも参戦経験があるマレーシア人プロドリフトドライバーのツンクー・ジャン・レイ。もうひとりは、女性ドライバーのリオナ・チンだ。

 ジャン・レイはドリフトの他にも、2005年にはスーパーGTのセパン戦にロータス・エキシージでスポット参戦した経験もある。

GTワールドチャレンジ・アジアへの参戦発表を行ったマレーシアのレガシー・レーシング

■GT4

 2019年まで参戦していた日本のBMW Team Studieが国内に活動の場を移すと言われていることから、これに代わる存在がどこになるのか気になるGT4クラス。日本のチームGMBに加え、下記のチームの参戦が発表された。

・GTOレーシング・ウィズ・TTR
 メルセデスAMG GT4を使用するGTOレーシング・ウィズ・TTRは、台湾人ドライバーのブライアン・リーと香港人ドライバーのトニー・フォンで参戦することになった。チームは日本人スタッフが運営するチームだ。

・アブソリュート・レーシング
 GT3ではポルシェを走らせるアブソリュート・レーシングだが、アウディとの関係はキープ。GT4では2020年スペックのアウディR8 LMS GT4を投入することになった。インドネシア人のアンダーソン・トナートとデンマーク人のニコラス・モラー・マッドセンがドライブする。

アブソリュート・レーシングがGTワールドチャレンジ・アジアで走らせる2020年モデルのアウディ

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