老後に関心、イデコ加入伸びる 北陸の地銀

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 北陸の金融機関で、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の加入が伸びている。金融庁審議会が試算後に撤回した「年金以外に老後資金2千万円が必要」とする報告書を契機に、老後への関心が高まったことが追い風となっている。各地銀は、一つの金融機関しか口座が開設できないイデコを通じて顧客と長期の取引関係を築くとともに、囲い込みを狙う。

 イデコは、公的年金と異なり、個人の意思で加入する個人年金。掛け金や、運用する金融商品を自ら決め、運用結果で受取額が決まる。

 「節税につながるメリットが浸透し、契約が増えてきた」とするのは、北國銀行の担当者。同行では石川、富山両県のマネープラザ計5カ所で月に1度、マネー講座を開き、イデコを紹介している。最大の特長が節税効果で、掛け金を出す拠出時や、受け取り時に税金が安くなるメリットがある。

 全国の加入者数は昨年12月末時点で約146万人となり、2017年3月の43万人から3倍以上に増えた。17年から公務員らが加入できるようになったほか、老後資金として年金以外に2千万円の蓄えが必要とした報告書が昨年6月に発表された後から大幅に伸びたという。北國銀行では昨年4~9月に1339件を受け付けた。

 イデコの口座は一つの金融機関にしか開設できず、運用を始めると、60歳までは原則取り崩せない。金融機関にとっては顧客と長期の関係性を築くきっかけになり、「住宅ローンなど人生の各ステージに合った金融商品を提案すれば、選んでもらえる可能性がある」(関係者)とメリットを指摘する。

 北陸銀行では、コンサルティング営業部のチームが中心になり、企業に行員が出張して説明する「職域セミナー」を実施し、新規加入者の獲得に力を入れている。セミナーは取引先が多い富山、石川、北海道などで月平均5回程度開く。今月は春からの加入者増加を見込み、計10回の開催を予定する。

 同行では中小企業が掛け金を上乗せする「イデコプラス」の増加が目立ち、担当者は「従業員の福利厚生の一環として積極姿勢を打ち出す企業が増えているのではないか」と分析する。

 富山銀行は営業店に併設する「保険プラザ」で、イデコを取り扱っている。担当者は「個人の資産形成の選択肢の一つとしてイデコや個人年金保険などを紹介していきたい」としている。

 2020年度の税制改正大綱で、イデコの加入年齢の上限が59歳から64歳まで引き上げられ、今後ますます加入が増えそうだ。