オムロンと近畿大学 高齢ドライバーの安全運転を支援するリアルタイム運転技能診断システムを共同開発

2020年2月13日
オムロン株式会社
近畿大学

オムロンと近畿大学
高齢ドライバーの安全運転を支援する
リアルタイム運転技能診断システムを共同開発
「DriveKarte(ドライブカルテ)」を活用した新サービスの実証実験を開始

オムロン株式会社(本社: 京都市下京区、代表取締役社長CEO: 山田義仁)のグループ会社として社会システム事業を担うオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長: 細井俊夫、以下、OSS)と、近畿大学(大阪府東大阪市、学長:細井美彦)は、ドライバー安全運転管理サービス「DriveKarte®(ドライブカルテ) 以下、DriveKarte」を活用した高齢ドライバーの運転技能向上を促すリアルタイム運転技能診断システムを開発しました。本システムは、近畿大学理工学部 多田准教授と共同開発したもので、本システムを使ったサービスの実証実験を開始し、自動車教習所などの高齢ドライバー教育を必要としている事業者向けに、2020年度内に提供開始いたします。

今回開発したリアルタイム運転技能診断システムは、車両に取り付けた「DriveKarte」のカメラやセンサーから出力されるドライバー画像や、位置情報、加速度などの情報を組合せて、自動で運転技能評価を行い、運転中のドライバーに対してリアルタイムに音声で危険運転を通知します。教習所での実車指導中に本システムを使用することにより、ドライバーが危険運転に気づくことで安全運転技能の向上を実現します。また、教官の指導を補助することにより教官の負荷低減にも貢献します。

社会の高齢化に伴い、高齢ドライバーの交通事故防止対策は喫緊の課題となっています。現在、70歳以上の高齢ドライバーの免許更新時に実車指導を含めた高齢者講習が実施されています。実車指導では、運転中に同乗する教官からの指導と、運転後にドライブレコーダーの映像をもとにした事後指導が実施されますが、今後より多くの受講者に効率的に対応するため機械化の導入や、指導の効果を高めるための取り組みが求められています。

本システムは、OSSの「DriveKarte」と、多田准教授の開発した運転技能評価、通知システムを組み合わせることにより、運転中にリアルタイムでドライバーへのフィードバックを可能にしました。多田准教授の開発した運転技能評価、通知システムは、指導員の安全運転知識をデータベース化し、ドライバーの技能を自動評価できるようにしたものです。実験により、機械によるリアルタイムでの運転評価、通知が、高齢ドライバーの運転技能向上の指導に有効であることが確認されています※。人による指導に加えて、機械による客観的な一定の判定による指導を行うことで、高齢ドライバーへの指導力の向上が期待できます。

【高齢ドライバーリアルタイム運転技能診断システムの概要】

【ドライバー安全運転管理サービス「DriveKarte®」について】
「ドライバー見守り車載センサー」を既存の車両に取り付け、車両の走行状態とドライバーの運転集中度の両面から安全運転をサポートするサービスで、2018年4月よりサービスを開始。
https://www.oss.omron.co.jp/drivekarte/
※小坂田 光,多田 昌裕,岡田 昌也,蓮花 一己,リアルタイム安全アドバイスシステムの高齢運転者講習への応用,交通工学論文集(特集号A),Vol.4,No.1,pp.A_187-A_195,Feb,2018.

<オムロン株式会社について>
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.co.jp/をご参照ください。

<オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社について>
オムロングループにおいて、社会インフラ事業を担う企業。最先端のIoT技術、AI、ロボティクスとサービス、データ活用による「ソーシャルオートメーション」で、誰もがより安心・安全・快適に生活できる社会の実現に向け挑戦しています。

<近畿大学について>
近畿大学は、1925年創立の大阪専門学校と、1943年創立の大阪理工科大学を母体として、1949年に新学制により設立されました。医学から芸術まで14学部48学科を有する日本有数の総合大学です。